確かに、殺人の汚名は拭えませんでしたね・・・
私は、主人公が 「自分が(愛情を表現できず)妻を(殺される状況に導いてしまい)(比喩的に)殺したのだと思う」 と、レッドに告悔するシーンから 殺人についての罰は、受入れる心情になっていたこと、
また 「自分は、正直でまっすぐな人間だった。でも、ここでは、悪党だ。面白いことに」と、にやりとするシーンから、彼は、銀行員時代の自分より、新しい自分(悪党)であることを、案外気に入っていると見受けられること、 の2点から、主人公にとって過去の汚名は、もう手放してよいものになっていたのではと思います。
彼は、過去の融通の利かない「まっすぐさん」から、生き抜くためにあらゆる手段を画策し、立ち回る悪党に変わりました。 おそらく、新しい自分になることで、正義の通じない巨悪の世界から自由になる希望を、やっと見出したのだと思います。
主人公にとっては、「希望」こそが、新しい自分の名前だったのではないかと思います。
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