井波彫刻の個展開催中と新聞で知り、木彫例会の帰り、仲間を誘って観に行った。
私はクス、ヒバなどの材料をときどき井波から買い求めるているし、女優・檀れいさんが井波を紹介したTV番組“名匠の里紀行”は、録画して繰り返し何度もみた羨望の街、また小動物を彫る野中願児さんのブロクもときどき覗いているので、ぜひ井波彫刻の本物を観たいと思っていた。
個展の主は、札幌出身の菊池藍さん、21歳の女性だった。出展の木彫は龍や梟、紫陽花など6点、いずれも洗練されたデザインを精緻に彫りこんでいて、さすがプロの仕事と感心させられた。仏画も文殊菩薩や帝釈天など8点、色彩鮮やかに丁寧に描かれている。私に仏像を彫る気はないが、伝統工芸には学ぶべきものが無限にあるような気がする。型を逸脱せず、型のなかに新しいものを求めていく姿勢、日本人にはしっくりくるアートかもしれない。
菊池さんは仏師に弟子入りして3年間修行したという。たった3年でここまでできるとは、と感嘆。一方、私は……と指折り数えてみたら、木彫を始めてはや8年を経た。師について真剣に修行した人と、我流で遊びでやっている者の差! “馬齢を重ねる”という言葉が浮かんだ。それはさておき、さらに研鑚を積み重ねて技量を上げていくだろう、若い菊池さんの今後の作品をまた観せてほしいと思った。
菊池藍作品展 らいらっく・ぎゃらりい(札幌市中央区大通西4・道銀本店ビル1F) 6月28日まで
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