年賀状は毎年、インクジェットのはがきを買い、表裏ともパソコンで印刷する。木彫猫をデザインするので、手づくり感覚の名残はあるかもしれないが、両面ともパソコンでサッサッサーでは気持ちが伝わらないと思い、一言添え書きすることにしている。
書くのは、@相手の安否、A当方の近況。これを2〜3行でまとめるにはけっこう頭をひねる。いつも会っている人なら気心が知れているから、軽いジョークでもいいが、年に一度の賀状だけの付き合いの人には、しばしばペンが滞る。体調の悪い人に立ち入りすぎてはいけないし、婉曲な言い回しから紋切り型〜常套句に陥ることも。
以下、独りよがりで興がってしまった文例。
「還暦をすぎて、ホワイトアスパラになりましたかな」 教師だった友人で、若いころ顎ひげの剃り跡が青々としているのを“アスパラ”とあだ名をつけたことがあった。その彼も定年退職したので。
木彫仲間に。 「木は心、今年も楽しく彫りましょう」
文学〜報道関係の友人に。 「ペンは剣よりも強し、といいますが、ペンを刀に持ちかえてしまいました。ただし、私は安倍政権の支持者ではありません」(刀とは彫刻刀のこと、蛇足だが)
「お元気ですか? 私も元気です」 毎年、印刷所の見本どおり、宛て名もパソコンで、手書き文字が一字もない人に。もちろん、賀状をいただくことが元気な証拠、とありがたく思っているが……。
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