今朝、わがサイトのアクセスが70000件に達した。開設15年目にしてやっとこの件数だから、全然人気サイトでないことは確か。それでもほぼ毎日のように訪問者があることはありがたい。数件でもカウンターが上がるたびに、さっぱり更新していないことを恥じ、申しわけない気持ちになる。
顧みれば……1998年5月2日に小説サイトとして“Ryojiの書斎”を開設。当初何の反響もなかったが、富田倫生『インターネット快適読書術』を読み、著者にメールをしたのがきっかけで、“青空文庫”に自作を公開、氏手ずから「闇の力」「われらリフター」など5作品をT-Time化していただいた(その富田氏が不意打ちのように今年8月冥界に去り、痛恨、哀惜の念に堪えない)。それからアクセスが急増し、またマイクロソフト社のIME開発担当者からコーパス(言語資料)に使わせてほしいとか、ニューヨーク在住の人から本の情報の問い合わせがきたり、「尾なし犬」がネット読書会の課題作にされたりして、インターネットでの新しい展開が期待させられた。北海道文学館で「私のネット文学体験」と題して講演したり、北海道新聞にエッセイ「俗に通ずる――インターネットによる作品公開の試み」を発表したりしたのもその頃である。
その後、小説作品の公開だけでなく、読書や映画、ジャズ、川柳、漢字検定など、自身の好奇心にまかせて余計なものを増やし、しだいに何を目的にしたサイトかわけがわからなくなってきた。さらに公務を定年退職し、小説に専念して新聞連載などのチャンスにも恵まれたが、ほどなく詞藻の枯渇を感じて執筆から退いた。代わりに何気なく木彫を開始、ほとんど遊びのような削る作業にはまってしまい、小動物や人形などの立体彫刻が面白くてならなくなった。その駄作愚作を公開し始めるに及んで、何が目的のサイトなのかますます不可解な、ガラクタ箱のようになってきた。
今年4月、文学関係を(青空文庫の公開作品関連を残して)大幅に削除し、“Ryoji工房”と看板を変え、URLも改めて再スタートした。以来、アクセスは激減、リンクしていただいた方々にろくに連絡をしなかったこともあるが、毎月200件を越えていたのが半数以下になった。木彫作品は完成まで1〜2カ月かかるし、途中で放り出して半年後に彫り直すこともあるし、と言い訳を挙げつつも、更新停滞無気力サイトになってしまっていることは否めない。しかし、木彫を面白がる気持ちは変わらないし、気分は完全に遊びモード、気まぐれの更新でしかないが、興味のある方、人情に厚い方(?)、ときどきでもご訪問いただけたら幸いです。
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