同年の友だちと映画を月1回観ることにしている。鑑賞後は居酒屋で一献傾けながら映画批評をやり、それから政治やスポーツや読書を語り、お互いの健康状態も確認し合い、なるべく深更にいたる前に帰宅する。 しかし、このごろ観たい映画がなくなってきた。2人が共通して選ぶのは、戦争物、犯罪物、時代物、たまに問題作というところ。それが次第に月1から2〜3か月に1と間遠になってきた。宣伝広告をみても観たい気が起きないものばかりなのだ。
洋画を選ぶことが多いが、戦闘やカーチェイスなんかはCGを使ってどのシーンも物凄い。“物凄い”カットは1篇に1個所(最大のヤマ場)くらいが効果的なのに、アクションシーンになるとどれもこれも凄過ぎて、なんだか疲れる。 邦画はテレビ番組とほとんど変わらない手抜き作品が目立つし、漫画を映画化したのなんか観る気になれない。時代物にいたっては現代の若者がそのまま出てきて、刀を差しているのに腰が入っていないから歩き方さえ成っていない。女性もみんな今風の顔でアッケラカンとしていて、切なさや憂いというものがまるでない。
時代の空気が合わなくなってきたのかなあ、と楽しみが少なくなってきた同士で嘆いている。
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