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656.セコガニ  
名前:とんぼ    日付:2016/11/21(月) 13:41
 久しぶりに海を見たくて車を走らせた。途中三国サンセットビーチの「三国温泉カニまつり」に立ち寄る。ズワイガニが形が良いもので一杯18000〜25000円。セコガニが800〜1000円。いずれも三国で水揚げされたもの。ズワイで10000円、セコで500円のものも並んでいたが、形は小さい。

 少し離れた鮮魚店に入る。セコガニが入ったトロ箱に3500円の値札が付いている。形も良い。一箱3500円なら安いと思ったが、一杯3500円。余りの高値に呆れ、馬鹿々しくなった。高値もここまでくるとジョークになる。

 スパーでは一杯300円〜400円クラスのセコガニが並ぶ。これらは山陰で水揚げされたもの、あるいは輸入物だろう。冷凍カニを茹で揚げているから味の違いは当然ある。しかし価格ほどの差はない。今年もこれで我慢をするか・・・。

 いつ頃からカニは高値の花になっただろうか。

 60年以上前になる。あの頃、カニのシーズンになるとあちこちの鮮魚店で一斉にセコガニを大釜で茹であげた。独特の匂いが一帯に漂う。その匂いが晩秋のカニシーズン到来を告げる。6杯、10杯と、家族の人数分、一人2杯あては買う。

 あの頃でもズワイガニは高級品で手が出なかった。だがセコガニは値ごろで庶民の味だった。今でいうならサンマだろうか。三国から棒手振り(ぼてふり)さんがカニを売りにきた。京福電車(現越前鉄道)の一番列車で、芦原、春江、福井に出向くのである。
「セコガニいらんかね〜」リアカーを曳き、声を掛けて売り歩く。声を聞きつけた女たちがリアカーを囲む。大家族の家では箱単位で買う。脚の欠けたもの、こぶりなものはとくに安価であった。

 棒手振りさんの姿が消えたのは昭和40年代から50年代にかけてだろうか。

 安価なセコガニは子供のおやつ代わりとなった。セコガニよりも素うどんの方が上等に思えた時代であった。そういう時代を経験している者にとって、今のカニの相場はなんとも摩訶不思議である。

 山と積まれている高価なセコガニには目もくれず、他の鮮魚を物色する。売台に鯛(たい)、甘鯛(あまだい)、鰈(かれい)、真鱈(まだら)、ミズダコ、甘エビ、バイガイなどが並ぶが、種類が少なく物足りない。それでも真鱈(800円)を買う。さほど大きくはないが、腹が張っている。その他には穴子(300円)、ガサエビ(500円)を買う。アナゴは煮付け、ガサエビは刺し身にする。

 帰宅して鱈を捌(さば)く。頭、内臓を含めてほとんど捨てるところがない。見込んだ通り、ダダミ(白子)を抱えていた。真鱈の値打ちはダダミの質(新鮮さ)と量で決まる。肝も大きい。夕食は鱈鍋、明日は荒汁で、夫婦二人なら二日は堪能できる。

 今日、セコガニは高値で敬遠したが、山陰ものが安く出回ったら買おう。越前カニも、山陰カニもしょせんは同じカニ。どこで水揚げされたかの違いだけである。

 越前ガニのブランドを大切にするのも結構だが、庶民感覚からかけ離れた価格維持に固執すれば、やがて消費者離れを引き起こす。セコガニは庶民の味ということを関係者は忘れないで欲しい。

 棒手振りさんの掛声「セコガニいらんかね〜」が懐かしい。

   セコ食(は)めば 棒手振りのこえ 蘇(よみがえ)り        とんぼ


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