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阿修羅マン掲示板

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5022.アウトレンジ砲撃という誤解  
名前:モーグリ    日付:2016/1/27(水) 22:33
http://keshiintokorozawa.web.fc2.com/faq08p14e22b25m.html#27349
【質問】 大和の主砲は量より質ってこと?


>日露戦争以後の日本帝国海軍の主要仮想敵国は米国になり,その基本戦略が漸減戦略であった事は,軍事板に来ているのなら,当然知っていると思うが,その際,数で劣る日本帝国海軍が勝つ為には,こちらがなるべく損害を被らずに相手を撃破する必要があり,その為に米戦艦の射程の外から一方的に攻撃出来る大口径砲を搭載した戦艦が求められたのだよ.
>で,帝国海軍は,米海軍の艦載砲の最大口径を,パナマ運河航行の必要性から40cmと予測しており,
>「それ以上の口径の砲を自軍の戦艦に搭載すれば,一方的にアウトレンジ出来る」
>と,虫が良い事を考えたのだよ.
に訂正を入れます。

これはよくある誤解ですね。
「大和の主砲は2万m〜3万m、特に2万m前後の中距離砲戦を想定していた」というのが本当です。
アウトレンジ射撃は(考慮してないわけではないが)日本海軍の戦艦砲戦ドクトリンでは傍流です。

戦前の日本海軍の砲戦ドクトリンでは戦艦の決戦距離は2万m〜3万mとされてました。
特に、命中率の高い2万m前後の中距離砲戦を推薦してました。
大和の装甲防御が「2万m〜3万mで射撃される自艦の46p砲弾対応防御」になってるのはそのためです。
その砲戦距離で敵の40p砲弾をブロックしつつ、46p砲で敵の40p砲戦艦の装甲を一方的に貫通する、というのが大和にとっての「横綱相撲」です。

初心者が誤解しやすいのが「戦艦の装甲防御」です。
「大和は砲戦距離2万m〜3万mでの対応防御をしている」と聞くと「じゃあ、3万m以上ならますます安全だろう」と誤解する人がいます。
実際には、それ以上の砲戦距離では砲弾の落角が大きくなって甲板装甲を貫通されてしまいます。
つまり、うかつにアウトレンジ砲戦を仕掛けると、敵弾がまぐれ当たりした場合、大和の甲板装甲(対46p砲弾防御)が格下の40p砲弾に貫通されてしまう危険性さえ生じるんです。
そのため、大和の装甲防御を生かすためには、2万m〜3万mの距離で砲戦に持ち込む必要があります。

確かに、開戦前に一部の軍人は戦艦の最大射程近辺で敵戦艦を一方的に砲撃する「アウトレンジ砲撃」を主張してました。
ですが、海軍の主流はそれに否定的でした。
遠距離射撃は非常に命中率が低く、実戦では役に立たないと考えられていたからです。
実際に、戦前の演習でも3万m以遠の遠距離砲戦は(観測機を使用しても)命中率が非常に低く「実行不可能」だと判定されてます。



5024.Re: アウトレンジ砲撃という誤解
名前:消印所沢    日付:2016/2/2(火) 3:5
 御指摘ありがとうございます.
 ネット上ではどうもあやふやなソースしか見つけることができませんでしたので,ソース探索の旅に出ます.

 こういう検索しても「艦これ」ネタばっかりなのは,どうにも…

http://mltr.ganriki.net/index02.html


5026.Re: アウトレンジ砲撃という誤解
名前:モーグリ    日付:2016/2/5(金) 22:7
>ネット上ではどうもあやふやなソースしか見つけることができませんでしたので,ソース探索の旅に出ます.
参考文献を挙げておきます。

「日本の戦艦パーフェクトガイド」学研、2004年4月、より大塚好古「日本戦艦の砲戦術概要」
「やっぱり勝てない?太平洋戦争」制作委員会編「やっぱり勝てない?太平洋戦争」並木書房、2005年5月、より大塚好古「机上の空論だった戦艦大和のアウトレンジ戦法」
「丸」2013年2月号より堤明夫「超大和型に見る日本海軍の砲術論」
「歴史群像」2013年8月号より大塚好古「帝国海軍戦艦運用マニュアル」

上記の「日本の戦艦パーフェクトガイド」の大塚好古氏の「日本戦艦の砲戦術概要」によると、アウトレンジ射撃のように敵に先制して発砲することは、精神的な面でも弊害が大きいそうです。
先に発砲したことで乗員の士気が極度の興奮状態になったり、逆に命中弾が出なかった場合は自信を失い士気が極度に低下してしまうからだそうです。
このことから、機先を制して敵艦に砲撃を加えても海戦の勝利には直結しないのです。
これは、学校などで「テストの前に徹夜勉強や栄養ドリンクなどの影響で精神的にハイテンションな状況でテストに臨んでも、実際の点数は悪かった」という経験をした人ならわかると思います。

上記の書籍で大塚好古氏や堤明夫氏が度々指摘してますが、世間では「大和はアウトレンジ射撃を前提に建造された」という誤解が完全に通説化してます。
大和を扱った概説書、歴史書、雑学本、TVドキュメンタリーなどのメディアの大半でそう紹介されてます。
ネットでもウィキの「アウトレンジ戦法」の項目を含め非常に一般化してます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E6%88%A6%E6%B3%95
私も昔はそう信じてました。
回答のスレは2003年の物なので間違ってるのも仕方ないかと。

https://twitter.com/obiekt_JP/status/656478869155786753
https://twitter.com/kominebunzo/status/447655222374973440
上のリンクでJSFさんや古峰文三さんもツイートしてましたが、最近執筆された大和を扱った本の中で「大和はアウトレンジ射撃を前提に建造された」と堂々と書いてある本はリサーチが足らないクズ本とみなして構わないと思います。
これは、その人が本当に大和に詳しいのかどうかを調べるためのバロメーターです。


5027.Re: アウトレンジ砲撃という誤解
名前:消印所沢    日付:2016/2/5(金) 23:16
 ご教示ありがとうございます.
 訂正させていただきました.

http://keshiintokorozawa.web.fc2.com/faq08p14e22b25m.html#27349


5028.Re: アウトレンジ砲撃という誤解
名前:モーグリ    日付:2016/2/8(月) 23:12
どうも訂正ありがとうございます。

この大和のアウトレンジ射撃は非常に流布してる誤解です。
最近は「艦これ」の便乗ブームで連合艦隊の軍艦入門書が多数出版されてますが、その中にはこの手の誤解を引きずったままの本が多いです。
立ち読みしてると、20〜30年くらい前の内容をそのまま焼き直してるだけの本が目につきます。
訂正したことで、正しい情報の流布につながっていけたら幸いです。


「5022.アウトレンジ砲撃という誤解」への返信

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