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藤原雄一郎のクルーズワールド理論編

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85.正月小笠原フェリークルーズ  
名前:桑原    日付:2007/7/30(月) 22:11
 噂をすれば陰じゃないですが(笑),フェリー「きそ」の正月小笠原チャータークルーズが発表になったようです。

 ただ,ナショナルランド主催のクルーズは何故だかバカ高いことで有名らしく,実際参加するかどうかは微妙な情勢です。きその場合 1 等室がクルーズ船のステートにほぼ相当しますが,泊単価 5 万円前後となるとかなり躊躇します。しかも,代金には食費が含まれていませんので 1 日 3 食 \4,200 の食費が別途必要です。ちなみに 1 等ツインは写真だと窓があるように見えますが,実際には吹抜け式のインサイドです(参考)。
 価格的なメリットを求めるなら,それこそ客室は寝るだけと割り切って 2 等で済ますことです。あと,スイート系がクルーズ船と比べて相対的に安いので狙い目なのですが,全部で 4 部屋しかないため,早々と売り切れていました。総じて,個室に限っていえばクルーズ船のニューイヤーの方が断然お得だと思いますし,小笠原にこだわるのならふじ丸チャータークルーズの発表を待ってからでも遅くはないと思います。

 もっとも,正月のフェリークルーズには船主の大平洋フェリーが主催するものが別にありますし,各社でも初日の出クルーズや正月イベント便などが結構あるようなので,正月クルーズを安く済ませる方法は今後いくらでも出て来るのではないかと思います。



86.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:バルクキャリアー    日付:2007/7/30(月) 23:28
まったく桑原さんのおっしゃる通りだと思います。

この春、太平洋フェリーの名古屋〜苫小牧に乗船、良心的なサービスとコストパーフォマンスをエンジョイしましたが、このお正月のクルーズ料金設定は、旅行社主催とはいえ、いかがなものかと思います。

そもそもトラックも乗らない遊休期間、本来なら燃料油代と港費、それに若干のクルーの割り増しを払えば良いはず。所謂正月料金なのでしょうが、ここぞという魂胆みえみえであまりにも高すぎ。首を傾げますね。私は日本船のクルーズ料金とターゲットの客層設定に常々疑問を持っており、フェリーは裾野を広げクルーズに繋がる有効な方法だと思っておりました。リーズナブルな料金設定ならばこの橋渡しも出来ましょうが、これでは「クルーズは高い」という世間一般の風潮に拍車をかけるばかりでしょう。一方、高い上級客室でなければ、所詮フェリーは雑魚寝という悪い印象を持たれる事も心配です。

http://home.att.ne.jp/omega/gostop/


87.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:藤原雄一郎    日付:2007/7/31(火) 8:56
桑原さん バルクキャリアーさん

この掲示板のおかげでフェリーに興味が出てきています。その矢先、このような高値設定ではガッカリです。

この前、阪急トラピックスで沖縄格安旅行へ行ったせいでDMがドサっと来ます。その中に「キソ」とJR人気の夜行列車のツアーがあり、興味をそそられていますが、結局15万円前後です。

クルーズと同じ品質を望むと結局、クルーズの代金近くに落ち着くのですね。フェリーで二等船室での雑魚寝とクルーズを同一次元で論じられてはたまらないという気持ちもしないではありませんが、結局フェリーの安さは雑魚寝ではじめて実現するのか・・・とも思いました。

世の中あまり虫の良い話は転がっていませんね。金額相応ですか?


103.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:桑原    日付:2007/9/23(日) 10:30
 こっちの話題も続編です。先日乗船した「いしかり」船内の案内で知ったのですが,「きそ」の小笠原に続いて「いしかり」も名古屋発宿毛・長崎の正月クルーズをやるそうです(詳細)。

 大平洋フェリー主催のクルーズということで価格的に期待するものがあったのですが,船内で入手したパンフレットによると 4 泊で特等(2 人部屋)\256,000,1 等(4 人部屋)\180,000 とかなっていました。ちなみにふじ丸の正月クルーズが 6 泊でステート B(2 人部屋)\258,000,4 人部屋が \189,000 ですので,全食付きで「きそ」に比べて割安とはいえやはり一般のクルーズと比べると明らかに高額設定です。
 通常の定期便だと全食込みでも特等 1 泊 \13,000〜\20,000 程度で済んでしまうのに,クルーズ運行だとその 3〜5 倍になってしまう価格設定には確かに疑問がありますが,これが毎年満員御礼の人気ツアーらしく,今度の「きそ」小笠原クルーズなどは早くも一部等級を除いて満室状態というのは,一般クルーズやまして海外クルーズなどの相場を知っている我々にとって怪現象(笑)としか言い様がありません。雑誌「クルーズ」の人気投票にも見られるように大平洋フェリーには熱烈なファンが多く,これらお正月クルーズはその熱烈なファンによる一種のご祝儀相場となっているのかも知れません。いずれにしろ,クルーズというものは単に価格を安くしさえすれば人が集まるというものではないようです。

 あとは,フェリー運行が貨物収益に大きく依存しているというのも一因だと考えられます。つまり,企画クルーズのように旅客収入だけで運行しようとすれば車両甲板が空になる分だけ割高にならざるを得ないということなのでしょう。
 逆にオレンジフェリーパンスターフェリーのように定期貨客航路に便乗する形でクルーズ運用を考えれば,価格的なアドバンテージのある定期クルーズ商品はいくらでも実現できるということではないでしょうか。定期貨客航路でクルーズを実施するという考え方は別に目新しいものではなく,あの氷川丸も定期運行では貨客船として貨物輸送もやっていたわけですし,さんふらわあも初期の頃は今で言うクルーズフェリーを目指していたわけですから。海外でも,バルト海ワンナイトクルーズで知られるシリヤラインなどは,船内施設やサービスはクルーズ船そのものですが,実は車両甲板があって貨物輸送も可能な RO/RO 貨客船だったりします。クルーズ統計では,日本の外国船クルーズ利用者の 4 割にも及ぶ年間 25,000 人がこの航路に乗船しているわけなので,日本でこれと同じことをやって成功しないはずはないと考えるのはあながち素人考えとばかりは言えないと思います。


104.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:みえこ    日付:2007/9/23(日) 11:8
>4 泊で特等(2 人部屋)\256,000,1 等(4 人部屋)\180,000 !

思わずのけぞってしまいました。
しかも毎年 満員御礼とは!

>フェリー運行が貨物収益に大きく依存しているというのも一因だと考えられます。

なるほど お正月クルーズは乗客だけですから割高になるのも仕方がないってことですね。
だとすると普段は貨物収益のおかげで割安ってことなんですね。

やっぱりこれは実際に乗船して詳しく調べてみる必要があります。
釜山があまり寒くならないうちにパンスターで行ってみたいです。


106.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:バルクキャリアー    日付:2007/9/24(月) 0:18
船舶のコストはごく大きく分けて3つの要素から成り立っています。一つは資本費と言われる部分で、これは船舶建造にかかった資金、ないしは融資を受けた資金をその船舶を保有・運航する「期間」で返済(回収)する、企業会計や税務からみれば船舶償却費と言う側面を持つ費用です。第2はその船舶を安全に運航する為に必要なコスト、すなわちクルーを雇い給与を払う、ドックに入れて船をメンテナンスしたり、航海に堪える様各種備品や潤滑油を供給する費用です。最後に船が実際に航海を開始した後に、直接船会社が費用を負担しなければならない部分で、これは船舶燃料費(バンカー油)、タグやパイロット・岸壁使用料などの港費、それにフェリーではリネン、エンターテイメント、清掃などにかかる費用、船内電力の為のA重油使用などもこれに入るのでしょう。


観光バスを例に挙げると、メーカーからバスを購入する資金調達の部分が資本費です。そして運転手やバスガイドを雇い、車検や定期点検を受けて安全運送を担保するのが第2の部分。最後にお客さんを乗せて走り始めると発生する費用としてガソリン代、高速道路通行料などが第3の部分に当たります。

さてお正月のフェリークルーズですが、基本的には需要と供給の関係で、高くても満船になるのならばそれはそれで結構な事です。しかし率直に言えば「正月料金なのだろうが、ちょっと高すぎじゃないかな?」とも思います。

なぜならお正月の期間は、フェリーとして稼動するしないに関わらず、船舶コストの大きな部分を占める第1の資本費部分は毎日自動的に費用が積み上がっています。そしてクルーや安全の為の第2のコストも、お正月とは関係なく船会社は負担しなければなりません。不稼動となってしまう期間に船を動かす事によって船会社に発生する追加の費用は、ごく大雑把に言って第3の直接的な運航費だけでしょう。

ここで第1費用も第2費用も、貨物収入がないこの期間に乗客の料金に部分的にせよ転嫁すると考えるべきなのか、この部分は本来不稼動なのだから基本は第3の部分だけを乗客に負担してもらおうと考えるのか。

外航と違ってフェリーは今でも大変収益が厳しいので、トラック収入がない期間、船にかかるコストを乗客に転嫁しようとすれば、太平洋フェリーの提示した料金になるのかもしれませんね。

タンカーや貨物船しか扱った事がないので、客船やフェリーの採算や稼動日数の計算はまったくの推量なのですが、仮に第3の部分だけを乗客が負担するとすれば、相当安くなるのではないでしょうか。


108.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:みえこ    日付:2007/9/24(月) 8:49
バルクキャリアーさま

船の料金体系についての詳しい説明をありがとうございました。
知らなかったことばかりで興味深く読ませていただきました。

何も知らない私など料金の差は食事内容がメインかと思っていましたのに そんなことは微々たることなんですね。

「船内電力の為のA重油使用などもこれに入るのでしょう。」なんて言われても「なんのこっちゃ?」状態です。

それと飛鳥の商船三井 にっぽん丸の郵船クルーズ ぱしふぃっくびいなすの日本クルーズ客船の三社とも企業業績は好調だと聞いてていますが フェリー各社はそれほどでもないのでしょうか?

バルクキャリアー様の船の専門家としていろいろ教えていただけたら
嬉しい限りです。
これからもよろしくお願いいたします。


107.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:藤原雄一郎    日付:2007/9/24(月) 9:42
バルクキャリアさん

クルーズの良い所は、年間を通じて一日あたりの単価がほとんど変わらないことです。ですからお正月クルーズやお祭りクルーズは内容が普段より良いのでお得だと言えるでしょう。

船の世界や鉄道の世界のコスト管理はどのようになっているのか興味があります。個々の運行ごとの細かいコスト管理なら、バルクキャリアさんの言うように、貨物輸送の少ない航海は固定費がかさみますね。ですから馬鹿に高くなりますよね。

バルクキャリアさんの言うように変動費のみで考えれば安くなりますね。固定費全部持たせる、固定費のうち資本費は免除、変動費だけで勝負の三種類が考えられますから、需要と供給の関係から、自由度を保持dきるということではないのでしょうか。

何が言いたいかと言うと正月クルーズにはまだまだ値下げの余地ありと見ましたが・・・

一方クルーズの場合は年間のどんぶり勘定管理になっているのでしょうか。興味があります。


109.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:バルクキャリアー    日付:2007/9/24(月) 11:25
桑原さん、藤原さん、みえこさん

理論編と言う事で、なにやら難しい事を書いてしまいましたが、あくまでこれは一般的な貨物船やタンカーの採算モデルで、船の種類や会社によって価格(運賃)設定というか、損益分岐点の計算方法などは相当違います。例えばコンテナー航路は、航路により運賃が違う上、各国に亘る鉄道輸送賃、コンテナの回送費、コンテナターミナル運営費等が莫大になり、個々の船の採算よりは航路全体で採算を見なければならず、その意味でどんぶり勘定的になっています。

ですからフェリーの採算も詳しい事は知らないのですが、いずれにしても貨物輸送が主体であり、物流が止まる正月期間をどう穴埋めするか、という観点から正月クルーズをみれば
@この間、船を止めておき第3のコスト(直接運航費)をセーブする。
A第3のコストを上回る旅客収入があれば、クルーズを行なう。その直接コスト分だけを乗客は負担する。
Bこの際、第1のコストや第2のコストの幾分でも(貨物がないので)乗客に負担してもらう様なクルーズ運賃を設定する。
C人気の商品なら、敢えて頂けるものは頂く。

という4つの選択肢がサービス供給者(船会社)にあるのでしょう。

繰り返しになりますが、残念ながらフェリーはどの航路も採算的に大変苦しいのが実情と聞きます。直接費用プラスアルファー(上記A)というよりは、人気があるなら正月特別料金を頂き、できるだけ採算を上げたい(上記B+C)という事でクルーズ料金が設定されているのでしょう。

しかしそれが普段のフェリーの単価と余りにも違い、また本格的な客船よりも高いものになるとすると需要側(乗客)からは違和感が大きいですよね。リピーターの比率や当該フェリー会社ファンの獲得、ひいてはクルーズの促進などという長い目でみた効果はどうなんでしょうか?


110.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:桑原    日付:2007/9/24(月) 12:4
 久々に理論編らしい話題が出てきて,私としては望ましい展開だと思っています。国内海運業界の実情を知ることにこそ,国内クルーズ普及のヒントが潜んでいるのではなかと思い始めています。

 さて,「きそ」小笠原クルーズのようなチャータークルーズでは,主に第 1 の費用(資本費)と第 2 の費用(維持費)がチャーター料として支払われるものだと思いますので,バーゲンとかない限りは,やはり貨物収入がない分だけ割高になるのは避けられなと思います。一般のクルーズと比べて価格設定に無理があるのは確かですが,このシリーズは日本にクルーズという概念が生まれるはるか以前(30 年前?)から続いている伝統行事なので,その当時の価格体系がそのまま引き継がれているとしても無理はありません。他には恐らく離島航路の相場として定期便との価格バランスに配慮したという背景もあると思います。
 一方,自社主催クルーズまでその価格体系に追随するのは変な話だとは思いますが,多分予算上は社内チャーター扱いとかになっていて,成り行き上似たような価格体系に落ち着いたのだと思います。現実にこれで売れている以上,会社としてこの価格体系を改める義理もありませんし,利用者としてもこれのお陰で普段の定期便に安く乗船できると思えば収まりもつくでしょう(笑)。
 ただ,太平洋フェリーの場合はかなり特殊なケースであって,一般的には船の稼働率を上げるために各社ともかなりの苦労があるものと推測されます。例えば新日本海フェリーの一見無茶に見えるダイヤ編成も,8 隻の船団から最大限の輸送能力を得るためだと思えば納得できるものです。正月やゴールデンウィークなど各社では遊んでいる船をどのようにやり繰りするのか,非常に興味のあるところです。

 いずれにしろ,海運業界にはクルーズのネタになる話はいくらでも転がってそうな気がしますし,業界も旅客需要を盛り上げるために色々と手を廻していると聞きます。ただ,残念なことに旅行業界(クルーズ陣営)と海運業界(フェリー陣営)の連係がいまいちで,現在国内で燻っているクルーズ潜在需要と海上観光資源が有効に生かされていないようにも思います。


111.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:藤原雄一郎    日付:2007/9/25(火) 6:38
バルクキャリアさん 桑原さん

結局のところ需要と供給の関係で値段が決まるのが資本主義社会の掟ですよね。ここに政治がからみ、自由競争を阻害しておかしくなった建設業や日本の農業などのように「自分の勝手で値段を決める」ことは、衰退への大きな一歩だと思います。

とにかく「正月」という特殊需要で商売が成り立つなら、それはそれで良いのでしょう。しかしなかなか儲からないフェリー業界の将来の活路を考えるとき、ただでさえ少ないクルーズ業界の一翼を狙い、業態を変更してでも生き残りをはかるつもりなら、あまりにも近視眼的だと思います。

私もこの掲示板を見るまではフェリーには歯牙にもかけませんでした。しかし桑原さんやバルクキャリアさんのおかげで、大きく目を見開かされたような気がしています。

桑原さんのいうように、クルーズ、フェリーの両方を見据えて大きな絵をかく能力が海運業界に欠けているのは残念です。

日本のクルーズの現実を考えた時、フェリーによるクルーズは値段の多様性に対する潜在能力が大いにあり、クルーズの裾野の拡大に大いに役立つと思うのですが。

雑誌クルーズのW専務は私たちのこの方向での議論に非常に興味を持っておられます。私たちが先駆者となって新しいクルーズのコンセプトを打ち出したいものですね。

そうだ種切れで困っているクルーズニュースでこの問題を取り上げさせていただきます。お二人に対する著作権侵害になるかもわかりませんが・・・


112.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:桑原    日付:2007/9/25(火) 19:2
藤原さん,

 一般に掲示板の書込みは新聞や雑誌の投書欄と同じものですので,主宰者の藤原さんが随意に引用されるのは社会通念上問題はないと思います。それより,これをきっかけにバルクキャリアさんのように各分野の専門の方が参加して,さらに盛り上がることに期待したいところです。環境問題の時にも痛感しましたが,私のような素人がいくら問題提起しても自ずと限界がありますから。

 フェリークルーズというのは,国内クルーズの停滞(というよりもっと個人的に来年前半にクルーズ船が日本からいなくなってしまう問題)を打開する 1 つのキーワードとして挙げたものですが,調べてみると日本ではクルーズやそれに近いものを目指して色々試行錯誤していた時代があったようで,そのあたりからも何かヒントが得られないものかと思っています。
 他にも外国船のアジア進出が話題になっていますが,アメリカにおけるマイアミの様に,香港や基隆などを日本人向けフライ & クルーズの拠点として開発することも 2008 年問題を乗り切るための打開策として興味深いと思います。


113.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:藤原雄一郎    日付:2007/9/25(火) 20:2
桑原さんのような人が、クルーズ会社にいたらなあ〜〜と超嘆息します。随分柔らか頭で良いアイデアをお持ちで感心します。それではお言葉に甘えて、活用させて頂きます。


115.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:みえこ    日付:2007/9/25(火) 20:59
飛鳥2の商船三井をはじめ他のクルーズ会社は利益を上げているように聞いていますが フェリーはダメなんでしょうか?
日本の造船会社はフェリーの注文が数年先まで埋まっているほどの好調と聞いていますが あれは外国からの注文なんでしょうか?

10年ほど前に運輸省官僚から「これからの長距離輸送はフェリーになるので関連港湾設備の建設を急がねばならない。」って聞きましたけど
モーダルシフト構想は進んでいないのでしょうか・・・

(モーダルシフトとは、トラックによる幹線貨物輸送を、「地球に優しく、大量輸送が可能な海運または鉄道に転換」することをいいます。
 海上輸送の大きなメリットは長距離の一括大量輸送による効率化などにあります。コンテナーのように荷物だけを船に積みますので 運転手は乗船しません。)

我家の近くの名神高速道路 中国縦貫道 その他の高速道路は長距離の大型トラックが数多く走っているところをみると 2010年を目指してのモーダルシフト化は あまりうまく行ってないように思えます。

二万トン級のフェリーのお披露目に行ったことがありますが 内部は瀟洒で映画館もありました。
このような設備を備えたフェリーを建造するには多額の費用がかかり 安く海上輸送を目指すモーダルシフト化には 反するもののように思いました。


116.Re: 正月小笠原フェリークルーズ
名前:バルクキャリアー    日付:2007/9/25(火) 21:26
藤原様

なんなりとどの部分でもご引用下さい。私も海運業界からは、半分身を引いておりますが、永年これでご飯を食べさせてもらった身。少しでも問題提議というかお役にたてば嬉しいかぎりです。それでこちらもまた勉強になったりします。


118.モーダルシフト
名前:桑原    日付:2007/9/26(水) 8:0
みえこさん,

 国内フェリー業界の最近の暗いニュースといえば,九越航路の事実上の休止とか,シャトル・ハイウェイラインの破綻などが思い当たりますが,話に聞くとどれも決して業績は悪くなかったのに新造船の調達で躓いたところから歯車が狂い始めたように思います。モーダルシフトの要となる航路だっただけに,これらの廃止によって困り果てている運送業者も多いのではないでしょうか。
 世界のクルーズ業界では新造船ラッシュで湧いていて,新造船なんて簡単に作れるものと錯覚してしまいがちですが,現実には 1 隻 100 億円前後〜数 100 億円の巨大事業で恐らくそのほとんどが借財によって成り立っているのではないかと思います。新造船は不足しても危機的な状況に陥りますが,逆に余っても危機的な状況に陥るという,とてもシビアな世界なのではないでしょうか。飛鳥 II の投入も,たまたまクリスタル船の融通があったことと旧飛鳥の買い手があったことが幸いして成功したものであって,一気に倍増した屯数を埋め合わせるために就航当初は相当無理をしていたのではないかと推察されます。

 他にはフェリー業界の不調の理由としてしばしば原油高騰が挙げられ,現に直接的にはそれがとどめとなって潰れた航路も多いと思います。
 ただ,冷静に考えると原油高騰で船舶燃料の重油価格が上がるということは,同時にトラック燃料の軽油価格も上がるわけで,むしろモーダルシフトが促進されてフェリー業界にとっては追い風となるはずだとも考えられます。しかし,現実にはここ 10 数年で重油価格は 4 倍ほど跳ね上がっているのに,軽油価格はそれほどにもなっていません。同じ原料の高騰なのに重油だけが極端に高くなるというのは変な話ですが,これは軽油の小売価格の多くの部分(1 リットルあたり約 \30)が税金によって成り立っているためです。例えば軽油の原価が 1 リットルあたり \20→\80 と 4 倍に膨れ上がったとしても,税金を含む小売価格は \50→\110 と 2 倍程度にしかなりません。そのため,原油価格の高騰は皮肉にも海上輸送より陸上輸送の方に有利な要因となってしまうのです。
 軽油にかかる税金は主に道路財源に充てられるので,走行距離すなわち消費量に対して課税されるのは理に適っているとは思いますが,石油の不足がモーダルシフトを阻害する要因になるというのはどう考えてもおかしいので,モーダルシフト促進のための新たな税制や政策が必要なのではないかと思います。


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