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藤原雄一郎のクルーズワールド理論編

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511.MSCメロディ 海賊襲撃の詳細  
名前:藤原雄一郎    日付:2009/5/2(土) 17:2
MSCメロディ 海賊襲撃の詳細

すでにお伝えしたように、MSCメロディが海賊と遭遇し、銃撃戦になったことを伝えました。このほど更に詳細が判明しましたので、お知らせします。

MSCメロディがセイシェルから北に向かって航行中していました。そして丁度デッキではクラッシック・コンサートが行われていました。そのため何百人もの乗客がデッキにいたのです。時間は丁度真夜中です。

船長は南アフリカからの乗客ご婦人二名と話をしていました。話題は皮肉にも海賊に関するものだったとのレポートもあります。船長は「危険海域ソマリアから何百マイルも離れた安全なルートを航行しているから大丈夫です」と話していました。

そのような会話の数分後、何人かの乗客と、船尾に配備されたウオッチマンが暗闇に、何者かが走り回っているのを目撃しました。それは凄いスピードで走るボートと武装した男たちでした。

乗客はこの状況を知らせようと走りだし、ウオッチマンはブリッジと保安要員にすぐさまその状況を伝えました。一部の報道では乗客が、デッキチェアーなどを海賊に向けて投げつけたとも言われていますが真偽のほどは明かではありません。

そして最初の銃撃が始まりましたが、多くの乗客は最初爆竹か何かの音だと思ったそうですが、海賊の襲撃とわかり、自分の部屋へ突進しました。

銃撃が確認されるやただちにMSCメロディは予め定められた、海賊対応に素早く切り替えました。船の灯りは全て消され、全ての乗客はデッキから下の階に移動するように命令を受けました。

そして海賊を追い払う操船を直ちに実行しました。同時に保安要員を実務につかせました。MSCはイスラエルの良く訓練された保安要員をこの20年来、船に配備しているとのことです。彼らはクルーの制服を着用せず、目立たない存在にしているのです。

海賊は船尾からの乗船に失敗したと見るや、猛スピードで船首へと進行しました。MSCもそれをさせまいと、必死に操船したようです。

同時に船長は金庫からピストルを取り出し、保安要員に渡す決心をしました。通常は保安要員には武器を携行させていないのです。このような非常時に初めて保安要員に武器を手渡したのです。

報道では海賊と銃撃戦になったと言われているようですが、事実は威嚇射撃を数発行っただけで海賊に銃口はむけていないとMSCは言っています。そして放水で海賊の排除に努めました。放水は15分で終わったそうです。

海賊は乗船に失敗し、暗闇に消えました。身も凍るような事件は15分で終了しました。その後でブロークンな英語でMSCの位置を確認するための怪しげな無線が入りましたが、船は回答しませんでした。

最初の報道では負傷者はゼロとのことでしたが、アメリカ人が一人、銃弾で破壊されたガラス片で負傷し、クルーも負傷しました。

以上はクルーズクリティックからの記事の紹介ですが、海賊との遭遇が生々しく記述されています。どうしてこのようなニュースが日本では明らかにされないのでしょうか。MSCも安易に保安要員に武器を携行させてはいないことが良くわかりました。



512.Re: MSCメロディ 海賊襲撃の詳細
名前:桑原    日付:2009/5/3(日) 18:41
 しばらく掲示板をさぼっている間に(笑),国内船(ぱしふぃっくびいなす飛鳥 II)の方は何事もなかったようにアデン湾を無事通過したようですが,以前dolphinさんが懸念されていた事態が外国船で起きたのは予想外のことでした。

 ただ,今回のメロディー号の事件は避けようもない事態では決してなく,完全に油断していた状況下では当然起こりうることなのではないかと思います。乗客を実際に乗せているクルーズ船で,海賊との銃撃戦が起こるというのは常識的には考えられない事態で,それを前提とした装備と体制を備えるということはかなり異常な状況です。しかし,実際には海賊の接近をうかつに許してしまうばかりでなく,海賊が襲撃した時点で乗客が自由にデッキに出られる状況になっていたというのは,基本的な安全対策として全くの手落ちであったと言わねばならないでしょう。
 国際海事機関からは 海賊対策のガイドラインが出されていて,情報が若干古く最近のソマリア海賊に関して網羅しきれていませんが,それでも海賊対策には早期警戒と早期対応が何よりも重要という指摘には変わりはありません。つまり,優先的に導入すべきだったのは,銃器や戦闘要員などではなく,より高性能なレーダーや警戒設備(あるいはより思慮深い船長)なはずでした。
 また,若干誇張された情報とは思いますが,本当に乗客が戦闘に参加していたとしたらそちらも憂慮すべき問題だと思います。本人がどれほど腕っ節に自身があろうと,あるいは正規に訓練を受けた軍人であろうとも,指揮系統に組まれていない者が無断で戦闘に参加することは絶対にあってはならないことです。そのような指揮系統外の者(非戦闘員)が戦闘に参加する(あるいは参加を許してしまう)ことは,自身を危険にさらすのみならず,味方(乗組員や他の乗客)や船舶自体を危機的な状況に陥れることになるからです。このような事態において非戦闘員がとるべき最優先の任務は,決して味方の作戦行動を妨害しないで安全区域に速やかに退避し,戦闘区域に非戦闘員が絶対に存在しない状態を確保することです。
 あと,気になったことは,海賊が再襲撃のために船舶の位置を確認しようとしたことです。これは襲撃のためには船舶の正確な位置を知る必要があるからなのですが,裏を返せば襲撃当初は同船の航行位置が海賊側に完全に知れていたということにもなります。船舶の位置を戦術的に知る方法は,例えば受動レーダーや位置通報情報の傍受などがありますが,海賊船の装備から考えて無線交信の傍受が最も確実な方法だと思われます。つまり,完全に油断した状況で,船舶の航行位置を特定できるような情報をうかつに無線で流してしまったのではないかということが疑われるわけです。

 ともかく,今回の事件はソマリアの海賊活動が以前とは大きく変質していて,クルーズ船が明確に襲撃の目標になり得るという教訓は残しましたが,この海域がクルーズにとって著しく危険なのかどうかという点に関しては,油断していれば何事も危険であるという当たり前な結論しか導けない,とても稚拙な事例に過ぎないのではないかと思っています。


513.Re: MSCメロディ 海賊襲撃の詳細
名前:藤原雄一郎    日付:2009/5/3(日) 19:34
桑原さん

久しぶりです。寂しかったですよ。
今回の事件はソマリア沖とは離れた地域だったのでこのようなことになったのでしょう。

やはり危険水域を軍艦に守られて通過するのが正解かも知れませんね。


514.Re: MSCメロディ 海賊襲撃の詳細
名前:バルクキャリアー    日付:2009/5/3(日) 23:56
今、ソマリアの海賊はAIS(Automatic Identification System)を装備していると言われています。これを持っていると船舶の識別符号、船名、位置、針路、速力、目的地などの情報が一目瞭然で海賊側の手に入ります。このAIS装置の設置はSOLAS条約によって、一定の大きさ以上のすべての外航船舶への搭載が義務付けられているので海賊にとって襲撃対称船舶の位置把握は極めて容易だったことでしょう。

テロ対策に普及が急がれたAISが、海賊の襲撃に役立っているのはなんとも皮肉な現象ですね。10年前日本船のアランドラ・レインボウ号が、インドネシア沖でシージャックに遭遇して以来、同航路に就航する貨物船はインドネシアからシンガポールまで武装した警察を乗船させており、それ以後類似の事件は起こっていない様です。船舶に武装した人が乗っていると海賊に知らしめる事が一番の抑止力になるのではないでしょうか。そういう意味でMSCの対応は、さすが紛争なれした欧米の船だと思います。日本船もこの位の危機対応策をひそかに練っていると信じたいです。

ソマリアの海賊はいまや一大ビジネスになっており、これに対応するには軍艦の護衛と各船の自衛しかないでしょう。

http://www.we-blog.jp/wave/seahawks/


515.Re: MSCメロディ 海賊襲撃の詳細
名前:藤原雄一郎    日付:2009/5/4(月) 7:39
バルクキャリアさん

さすが専門家のコメントは良く理解出来ます。海賊対策にはもっともっと力を入れる時代になりましたね。自衛艦の派遣はまさに時宜を得たものであったと、政府を褒めたいと思います。


516.Re: MSCメロディ 海賊襲撃の詳細
名前:桑原    日付:2009/5/5(火) 7:51
バルクキャリアーさん,

 確かに,ソマリア海賊の中には AIS 等の位置通報システムを使って襲撃対象を特定しているのは事実のようですが,今回のケースで私が着目したのは,それならばなぜあえて船舶の位置を無線で確認しようとしたのかという点です。
 私は専門家ではないので AIS の性能や諸元について詳しくは知りませんが,AIS 識別信号の到達範囲は果たしてソマリア本土から 500 海里以上離れた海域の船舶を捜索するのに有効なものなのでしょうか。常識的に考えれば,レーダー探査距離(数 10 海里)を遥かに超える信号強度は,運用上あまり意味がないと思っています。

 あと,海賊対策に武力を用いることの是非については,例の IMO のガイドライン(44〜45 条)では「厳に慎しむべき」とあり,私もその通りだと思っていましたが,現在のスタンダードは武力で対抗することが主流となっているのでしょうか。確かに,海賊に対してはあえて接近を容認して武力で迎え撃つべきという考えもありますが,しかしそれは少なくとも一般の乗客が乗り合わせているクルーズ船でやるべきことではないと,私は考えています。
 武力による抑止効果も,ケースによっては一定の効果も認められるようですが,それは単独の船舶が独断でやるような性質のものではなく,広い合意の上で慎重に方針づけるべきものだと思います。相手が猛獣の類いならば一度手痛い目にあわせれば以後は従順になりますが,人間の感情や思想はそんなに単純なものではありません。現代国際社会を取り巻く様々な事件を概観しても,武力による犯罪やテロの抑止が失敗した例は多く,ほとんどのケースでは暴力の連鎖を引き起こしています。
 少なくとも,今回の事件でクルーズ船が銃を隠し持っていたことが白日の下にさらされたわけで,海賊側にはより強力な武器と凶悪な手段でクルーズ船を襲撃する動機と口実を与えてしまったことに違いはないでしょう。


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