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藤原雄一郎のクルーズワールド理論編

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26.クルーズと環境問題  
名前:桑原    日付:2007/6/9(土) 20:52
 世間では環境月間とかサミットとかで温暖化防止の話題が良く聞かれます。かなり前に,藤原さんのブログでもクルーズの環境問題に関する話題がありましたが,実際クルーズ船はどのくらい環境に負荷をかけているのか気になるところです。

 出典は明らかではありませんが,どこかの日本船では 1 日におよそ 80 t の燃料(C 重油)を消費するとか,船の燃費はおよそ 0.01 km/l とか聞いたことがあります。巡行速力 18 ノットと仮定すれば確かにそれらの数値は矛盾しませんので,大体その通りなのだと思います。そこで,これらの数値から CO2 排出量を計算すると,船が 1 km 進むのに約 300 kg の CO2 を排出することになり(算出方法),中型日本船の実質的な旅客定員を 500 人前後とすると 1 人当たりの CO2 排出量原単位はおよそ 0.6 kg/人・km ということになります。
 よって,クルーズ船を単なる交通機関として考えた場合,乗用車(平均 0.18 kg/人・km)や航空機(平均 0.11 kg/人・km)などと比べても(参考資料),決して環境に優しい乗り物ではないという結論になります。一般的に船は経済的な乗り物だという常識があるので,少し感覚的に釈然としないものがありますが,狭いエコノミー席にすし詰めにされるのならともかく,あれだけの巨大な船体をたった数百名で占有するとなれば,当然の結果なのかも知れません。

 だからといって,クルーズに乗船することが地球環境に反する怪しからん行為かというと,私はそうは思いません。なぜなら,クルーズの価値は単に遠くまで人や物を運ぶことではないからです。極端な話,クルーズの価値を船内で生活する時間に単純に置き換えれば,単位時間当たりの CO2 排出量(約 21 kg/人・時)は,航空機(約 100 kg/人・時)よりもはるかに少ないということになります。
 現実的なケースで考えれば,約 100 日間 27 寄港地の世界一周を考えた場合,停泊日を除いておよそ 80 日間航行すると仮定すれば,1 人あたりの CO2 排出量は約 40,000 kg/人 となります。一方,航空機で 1 回平均 1.5 都市周遊することを考えると,27 都市周遊するには 18 回の海外旅行に行く必要があり, 1 回平均の総飛行距離が 20,000 km と仮定すれば同じく約 40,000 kg/人 の CO2 を排出します。どうせ同じだけ環境に負荷をかけるなら,1 回の世界一周と 18 回の海外旅行どちらが有意義なのかは,クルーズ経験者の方には説明するまでもないでしょう。
 それと,もっと重要なこととして,航空機と違い船舶の場合は搭乗人員によってエネルギー消費がほとんど変わらないため,空室でも満室でも CO2 排出量にさしたる違いはありません。つまり,現に運行しているクルーズに参加すること自体,地球環境に悪影響を及ぼすことはないということです。クルーズ需要が急増して新造船を出すということになって(現に海外ではそうなりつつありますが)初めて地球環境への影響を考慮すべきなのであって,空室のある限りは一個人がクルーズを躊躇すべき環境上の理由はないでしょう。

 もちろん,レジャーのために貴重なエネルギーと地球環境を消費するとは怪しからんなどというエキセントリックな思想の持ち主は相手にする必要はありませんが,平常時の日本人 1 人あたりの CO2 平均排出量は 1.1 kg/人・時ですので,クルーズに乗船している間は普段の 20 倍近い CO2(約 21 kg/人・時)を余分に排出しているというのは事実です。だからこそ現存する環境負荷を無駄にしないために,一乗客としてはより有意義にクルーズを楽しむことが大切なのではないでしょうか。



30.Re: クルーズと環境問題
名前:藤原雄一郎    日付:2007/6/10(日) 7:57
桑原さん

凄い論文ですね。モーダルシフトが叫ばれているフェリー業界では乗客より、トラック輸送を船による大量輸送にかえてCO2の排出を抑えようというものですが、クルーズにまでは思いが至りませんでした。

最近のクルーズ船ではエンジンと推進器が直結でなく、エンジンは発電し、推進器は電動のケースが増えています。これはエネルギー消費から考えると芳しくないことですが、エンジンまわりの配置が自由になりそれなりのメリットがあるとのことですが、環境にやさしいとはいえません。

ただ私はCO2が地球温暖化の本当の犯人かまだ疑っています。CO2削減が省エネルギーであるある限りはとても良いことですが、CO2排出権利のやりとりとか、きわめて高額の除去装置の設置(まだ開発されていませんが)には懐疑的です。

それより海水汚濁は心配です。それなりのルールはありますが、法令を遵守して欲しいものです。

http://cruise2007.jp/


38.Re: クルーズと環境問題
名前:桑原    日付:2007/6/11(月) 7:22
hiroshi さん,

 #37へのコメントですが,テーマに従いこちらにコメントさせていただきます。

 確かに環境論者の中には人間の生存権と幸福追求を否定する(というより単に他人の楽しみにケチを付けたがる)独善的な人が多いので,その点誤解がないように細心の注意を払っておりましたが,さすがに予想外の批判が返って来た時は焦りました(笑)。今回のは少々難度が高かったでしたが,お書込みの意図は大体分かりました。
 しかし,好むと好まざるとに関わらず,近い将来急増するクルーズが環境問題の槍玉に揚がることは当然予想されることなので,クルーズ愛好家として理論武装を万全にしておくに越したことはないと思ったわけです。極論を申せば,現に環境負荷と資源消費が行われている以上,一個人としてはそれを無駄なく活用するしかないわけで,要はクルーズがあるなら思いっきり楽しめば良いし,豪勢な食事が出たら遠慮なく頂けば良いのだということです。
 つまるところ,環境問題とは生存権と幸福追求を将来に渡って担保するという発想に基づくものであって,現代に生きる我々の生存権と幸福追求が脅かされたのでは何の意味もありません。

 それに,クルーズは単に CO2 排出の側面だけでなく,道路や空港の建設による自然破壊が最小限に抑えられるというメリットにも注目すべきですし,環境へ局地的インパクトを与えずに自然遺産の秘境に容易にアクセスできるということは,人々の地球環境に対する意識を高めることにも貢献するはずです。また,クルーズの普及によって各地の港湾施設が整備されることや,船舶や海運に対する人々の関心を集めることは,間接的に貨物輸送のモーダルシフトを促すことにも繋がるでしょう。

藤原さん,

 ディーゼル電気推進は初期のものは確かに伝達効率は良くなかったようですね。名古屋港の南極観測船ふじでディーゼル電気推進の機関部を見たことがありましたが,やはり当時は低効率の電気推進は一般的ではなかったそうです。
 ただ,最近では高効率の発電機も開発され,一概に伝達効率が悪いとは言い切れないようです。また,常に機関のトルクを最適化できることに加え,推進機を流体力学上有利な配置にしやすいことから,総合的なエネルギー効率ではむしろシャフト駆動より優れているとも言われます。

 加えて,ディーゼル電気推進は低速航行に向いているため,速力を抑えることによって燃費を劇的に向上させることができるものと思います。奇しくも日本船 3 船では今年後半に博多〜神戸の同じ航路を航行するクルーズがあり,通常のディーゼル機関を搭載するにっぽん丸ぱしふぃっくびいなすはいずれも 20 時間で瀬戸内海を通り抜けてしまいますが,ディーゼル電気推進の飛鳥 IIでは 41 時間もかけて航行します。
 もちろん飛鳥 II が本気(?)を出せは他 2 船より速く航行できますので,これは意図的にやっているのだと思います。CO2 排出も燃料も節約できて,しかも 2 倍の時間楽しめるとなれば,地球にとっても船会社にとっても乗客にとってもハッピーなので,クルーズとしてはある意味理想形なのかも知れません。


39.Re: クルーズと環境問題
名前:藤原雄一郎    日付:2007/6/11(月) 13:4
桑原さん

クルーズと環境問題はアメリカの当局では結構厳しい要求をつきつけられています。好むと好まざるにかかわらず、今後の方向は環境にやさしくせざるをえないと思います。航空機もしかりです。

モーダルシフトこそは輸送業界に特に協力して欲しい分野ですが、クルーズが増加したとしても、全く違った世界ですから、陸上トラック輸送に何らかの規制を加えないかぎり、進まないと思います。現在トラック車輸送目的とするRO-RO船の発注はとまっているみたいです。

それからディーゼルの発電効率は内燃機関の中で飛びぬけて高いのですがそれでの40%程度です。ここで60%も燃料をロスしています。もちろん排ガスから蒸気を発生させていますから全体効率はあがります。

それが推進器直結だと伝達ロスだけですので全体効率は90%を超えると思います。ですからエネルギー消費では断然直結に軍配があがるのではないでしょうか。


40.Re: クルーズと環境問題
名前:hiroshi    日付:2007/6/11(月) 15:8
桑原さん、

クルーズ・シップは、貴重な水をがぶ飲みしているのではない、ということも触れてください。

残念ながら私は文系で、メカニズムの方は、いくら聞いてもよくわかりません。が、現在、クルーズ船は、無駄なくエネルギーを使って、船で使用するかなりの水さえ、無尽蔵の海水から増水し、効率的に使っているということを。

私から詳しく説明できないのが、残念ですが。


41.Re: クルーズと環境問題
名前:藤原雄一郎    日付:2007/6/11(月) 15:18
hiroshiさん

そうですね。プールの水も海水ですし・・・

http://inox-tabi.com/cruise/port/kagosima/index.html


42.Re: クルーズと環境問題
名前:桑原    日付:2007/6/12(火) 7:4
藤原さん,

 ディーゼル発電機のエネルギー損失の中には,当然内燃機関そのもののエネルギー損失も含まれていると思いますが,60 % のうち内燃機関が寄与する部分と発電セルが寄与する部分がそれぞれどの程度なのか分けて考える必要はあると思います。なぜなら,内燃機関が寄与するエネルギー損失は,当然直結方式の内燃機関にもあてはまるはずだからです。
 「冷たいエンジンは存在しない」というカルノーの格言があったかどうかは定かではありませんが(笑),冷却器や排気を介して常に大量の熱を排出しているからには,感覚的にディーゼル機関自体のエネルギー損失が 10 % 程度で済むとは思えないのです。ディーゼル機関のエネルギー効率の具体的なデータがあれば良いのですが,一説によると現代の船舶用ディーゼル機関の馬力あたりの燃料消費率は大体 120 g/PSh ともありますので,その場合のエネルギー効率を計算すると約 50 % となります。

hiroshi さん,

 造水装置には大雑把に分類して蒸留方式(海水を沸騰させ冷えた蒸気から水滴を集める方式)と濾過方式(海水を特殊な膜に通して塩分だけを濾し取る方式)があります。クルーズ船ではどの方式を使うのか知りませんが,全ての水を造水装置で賄うのでなく,寄港地で給水する場合もあるようです。いずれの方式でも船内で水を製造するにはエネルギー(CO2 排出)が必要ですので,水の豊富な寄港地では給水した方がむしろ環境的には望ましいということなのでしょう。もちろん,水資源に乏しい寄港地では水の価格も高いはずですので,わざわざそんな港で給水するようなことはしないでしょうけど。

 ただ,クルーズ船は水資源を無駄に使っているかというと,そういうことはないと思います。確かに船内生活には水が大量に必要ですが,それは乗客一人一人が陸上で生活していても同じくらい必要だからです。つまり,乗客が船内で水を使っていたとしても,その乗客が留守中の自宅では水を全く消費しないので,地球全体で考えればクルーズ船に乗ろうが乗るまいが水の消費総量は原則的に変わらないはずなのです。むしろプールや洗浄などで海水を使える分,真水の消費量は少なくて済むかも知れません。
 このことは水に限らず食料や光熱エネルギー,廃水・ゴミ処理など,船内生活に関わるあらゆる環境負荷と資源消費について言えることだと思います。要するに,クルーズ船内で生活するということは,我々が陸上で日常的に行っている環境負荷と資源消費が,そのまま海上に移っただけということなのです。もちろん,船内の方が陸上より余分に消費する場合もあるでしょうし,逆に船内の方が節約できる場合もあるでしょうけど,クルーズは基本的に船の推進に伴う燃料消費と CO2 排出のみが(こればかりは陸上生活にはないものですから)地球環境上の問題となり得るわけです。よって,クルーズ生活の快適さと豪華さを環境上の理由で批判する輩がいたとしたら,それは完全に的外れだと言えるでしょう。


43.Re: クルーズと環境問題
名前:藤原雄一郎    日付:2007/6/12(火) 14:54
桑原さん

確かにそうですね。排ガス温度をたぶん発電と同じにするでしょうから、内燃機関としての効率はかわりませんね。そうすれば同じ排ガス温度で同じ量の燃料をしようして、発電した電気で駆動できるかがポイントになりますので、船会社から詳細データでも貰わないとわかりませんね。

海水淡水化は最近では膜方式が主流のようです。また海水淡水化装置を持っていない船も多いとおもいます。どこかの船で「節水にご協力を」との御願いを見たような気がします。

この話題は本当にマニア向けですね。なかなか中に入れません。


44.Re: クルーズと環境問題
名前:hiroshi    日付:2007/6/13(水) 10:15
桑原さん、

>クルーズ生活の快適さと豪華さを環境上の理由で批判する輩がいたとしたら、それは完全に的外れだと言えるでしょう。

わが意を得た思いです。こんな批判をされると、たまりませんからね。

船の増水機能、エンジンなど内燃機関の話になると、門外漢の私にはさっぱりです。理系の藤原さんでさえ、マニアックな世界といわれるくらいですから、私程度には理解不能で、議論などはとても。とても。

クルーズ中、水の補給風景は、カリブで一度だけ見たことがあります。バハマのナッソーでした。

あそこは、水が安いから、だったのでしょうか、それとも、乗った船の船籍港だったからでしょうか。今となると、わかりませんね。


45.Re: クルーズと環境問題
名前:藤原雄一郎    日付:2007/6/13(水) 14:7
週刊新潮にびいなすに関するひどい記事がでていたと雑誌クルーズのW常務が怒っていました。早速購入して読んでいます。たしかにひどい!
詳細はまた

まずは下のurlでW常務の怒りを読んでください。

http://www.cruise-mag.com/blog1/index.html


46.Re: クルーズと環境問題
名前:hiroshi    日付:2007/6/13(水) 21:25
藤原さん、
雑誌「クルーズ」の「ボスWのつぶやき」、拝見しました。
今から本屋へ走ろうかと思いましたが、少々しんどいので、明日に延期です。

またまた、日本人の、ありもしない、事実無根のクルーズへの誤解を、さらに助長する記事が、書かれているらしいですね。

どんな内容なのか、明日、一番で本屋で買い求めます。残念ですね、こんな現象は。


47.Re: クルーズと環境問題
名前:藤原雄一郎    日付:2007/6/14(木) 7:6
週刊新潮の記事を読めば怒りが噴出しますが、所詮三流週刊誌ですから、しかたがないですかね。

週刊新潮は本日発売ですから、もうおいてないかもしれません。先週の売れ残りを店に聞くことでしょうか?


48.Re: クルーズと環境問題
名前:桑原    日付:2007/6/16(土) 7:6
 例の記事は読んでないので直接の批判は控えさせていただきますが,W 氏や藤原さんが酷評するくらいだからよほどのものかと想像できます(笑)。
 大衆誌の使命が良くも悪くも大衆に迎合することにあるのなら,あえてクルーズの悪口記事を掲載した背景にこそ問題があると思いました。多くの人にとってクルーズが自分達に無縁のものと思われているのだったら,「酸っぱい葡萄の理屈」でクルーズへの悪口はさぞ読者に喜ばれることでしょう。

 さて,環境問題に戻りますが,やはり素人で入手できるデータには限界があるのは確かです。機関室見学の機会があれば謎のいくつかは解けるとは思いますが,環境とか堅苦しいこと抜きでも,そういう問題意識を持って見れば機関室見学は 2 倍にも 3 倍にも楽しめるのではないかと思います。
 ショートクルーズにしか乗ったことがないので,給水の話は興味深いところです。ナッソーは陸上のリゾートとしても有名ですが,大規模な造水施設もあるという話も聞きます。資源の豊富な場所を選んで補給できるというのも,クルーズのメリットと言えるのかも知れません。


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