フランス国立衛生医学研究所のシューバッハ博士らは「これまで、パーキンソン病(PD)患者に対する両側視床下核刺激療法は罹病期間14年以上で長期薬剤療法を受けた患者に実施されていたが、同刺激療法をより早い時期に検討すべきであることが示唆された」と発表した。(Neurology 2007: 68:267-271)
罹病歴が比較的短く(平均6.8年)、運動症状が軽度〜中等度でレボドパへの反応が良好なPD患者20例がこの試験に参加。このうち無作為抽出した10例に薬剤療法を、残りの10例には両側視床下核刺激絵法を実施した。 その結果、患者のQOLは視床下核刺激群では24%改善したのに対し、薬剤療法群では改善は見られなかった。
DBS 内服療法 PD症状の重症度 69%減少 29%増加 レボドパ1日量 57%減少 12%増加 レボドパによる合併症 83%減少 15%増加
視床下核刺激群では副作用は軽度または一時的なものであり、精神症状や不安症状も改善していた。
<コメント> 視床下核刺激(STN-DBS)は危険が全くないというものではない。しかし運動症状をを改善しQOLを高める力強い治療法である。STN-Sの行動の問題や精神症状についての問題もまだ残る。 PDの進行の割合は患者によりマチマチである。病初期にSTN-DBSを使用することは患者に必要のないリスクをあたえかねない。よって、手術の長所と、手術による重篤な合併症や神経行動学的副作用の危険性についてオープンに話し合うべきだと思う。
http://www/neurology.org/cgi/content/abstract/68/4/267
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