映画「イントゥ・ザ・ワイルド」(ショーン・ペン監督)は、純粋無垢な若き魂の彷徨を描く。
裕福な家庭に育ち、大学を優秀な成績で卒業した青年が、ある日、家族と別れ、荒野へと旅立つ。
そして、アラスカの地で命果てるまで……。実話である。
人生の真実を求めんと、王宮の暮らしを捨て、ひとり旅立った、ゴータマ・ブッダの青春とも似ていよう。
すべての既存の価値を鋭く問い直してやまない、澄み渡る水晶のような魂。
しかし、それは時として、人を過酷な運命へといざなう。
これまで何千何万の“リトル・ブッダたち”が、果敢な冒険の果て、人知れず命を落としたことか。
厳しくも美しい大自然のなか、青年は瀕死の床で綴る。
「幸せは、それを誰かと分かち合った時にこそ実感できる」と。
最後にたどり着いたのは、掛け替えのない「他者」の重みの発見であった、といえようか。
30年前(1979・昭和54年)の5月3日、池田名誉会長は、新たな旅立ちへの決意を込めて「共戦」と認めた。
尊き同志と共に戦い、共に勝ち、共に生き抜く。
そこに、人間の孤独と苦悩を癒やす、無上の歓喜と本当の生きがいがある。
民衆の中へ!民衆と共に!――これこそが、創価の青春の使命であり、誉れである。(09.05.03) (英)
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