たねまき様 本当に、これだけの標本を見ると、ちょっと不安になりますよね。けれど、昆虫にとって本当に怖いのは、採集ではなく環境の破壊なのです。台湾はかつて、世界最大の蝶工芸品輸出国(今もかな?)でした。専門の業者が、毎年数十万の蝶を採っていましたが、それでも蝶は絶滅するどころか、減りもしなかったと言います。 ちょうど台所のゴキブリを絶滅できないのと同じですね。昆虫の1匹1匹は、ドングリのようなものです。落ちているドングリを拾うだけで、森を滅ぼすことができないのと同じように、採集だけで昆虫を絶滅させることは、ほとんどできないでしょう。 ではどうすれば絶滅できるかというと、森そのものを破壊し尽くせばいいのです。で、こっちの方は、人類はもうずいぶんやってきているんですね。 今の日本のように、自然そのものの体力が弱り、昆虫たちが狭い領域に追いつめられているとき、そこへ採集者が集中すれば、あっけなく絶滅ということもあるでしょうが。 蝶や昆虫のことを勉強するにつけ、環境そのものをじょうずに守ることが、どれほど大切かということがわかってきたように思います。
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