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Ryo爺の独り言

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“木楽なひとびと”展で 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2013/6/7(金) 8:42
ことしで5回目の“木楽なひとびと”展(札幌・大丸藤井セントラル、9日まで)を観た。出展者は小笠原み蔵、三好純男、屋中秋谷、可香谷智、北尾久美子、運野淳、古川世都生の7氏。個性溢れる作品がところ狭しと展示されていて、どのブースも木彫の楽しさがいっぱい。

このところ毎年見せていただいているので、バード・カーヴィングの北尾さんには、すでに顔を覚えられていて、今回もいろいろ話をお聞かせいただけた。この人の作品は、単に鳥が木に止まっているのではなく、身体の微妙な一瞬の揺らぎを捉えていて、囀りや羽ばたきさえ聞こえそう。近寄ったら飛び立ってしまうのでないかと錯覚するほど超リアルである。色も渋い。まさに本物以上のスーパーリアリズムというべきか。
今回は、広げた羽根の薄さが際立っていて、どう見てもジェルトン材で作ったとは思えない。ポーズだけでなく、細部の端々まで作者の創意が行き届いている。話が電動ルーターやバーニングのことに及んだら、わざわざ控えの持ち物から作りかけの作品を取り出してきて見せてくれた。製作途中といいながら羽毛の盛り上がりや羽根の筋の一本一本まで描出されていて、ほとんど神業というしかない。老眼の進んだ私にはこんな完璧なリアリティーは望めようもないが、北尾教室に通って2〜3体つくってみたら、その技法を猫に応用できるかもしれない、と思った。

小笠原さんはユーモラスなゴリラや豚の木彫が多いが、ジャズをテーマにした作品も力に満ちたデフォルメが面白い。ブースには作者ご本人はおられず、女性の方がいて、聞くとアシスタントをしているのかとても詳しい。
私が本でみた知識では、み蔵作品はシナの木が多いようで、オーク染色〜オリーブ染色と書いてあったのを思いだし、せっかくのチャンス、ここで苦手の塗りについて技法を知りたい、との気持ちが募った。で、「企業秘密かもしれませんが、お聞かせいただけないでしょうか」とおそるおそる(態度だけ、意図はかなり図々しいね)尋ねてみた。すると、なんのとまどいもなく「いいですよ」という。私はメモ帳を取り出し、記録しながら聞きまくった。ポワーステインでの色付けから、目止めのシーラー塗り、仕上げのクリアラッカー塗り、目の光を出すマニキュアに使うトップコートにいたるまで、手順の一々について教えてもらった。
まあ、聞いたからって容易にできるものではない。色の薄め方、塗る量、筆のさばき、回数、等々これは経験で会得するしかないが、独学・我流の私には、プロの技に目を見開かされた思い!

展示〜展覧会は、先達の感性やアイデアに触れると同時に、技術を盗む場でもある。昔から、職人は技を盗めと言った。もちろん、作業をやっているところを見せてもらうのが一番だろうが、今回は盗み聞き(親切に教えてくれたのだから、ちょっとニュアンスが違うかな)できて、大きな収穫だった。講座や教室に束脩を払って習うべきを、先生方、ありがとうございました。

“泣ける映画”ベスト10 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2013/4/2(火) 8:14
昨年末に、“笑える映画ベスト10”を挙げた。今回は“泣ける映画ベスト10”を列挙してみる(古いなぁ、という人がいるかもしれないが、私の年代だとどうしても落とせないものがあってね)。
汚れた現実を多く見すぎたから、虚構の世界で大いに泣いてみるといい。涙は目のくもりを洗い流してくれるだろうし、何よりも心を洗い清めてくれるだろう。(例によって年代順)

1. 王将 1948 伊藤大輔/阪東妻三郎 水戸光子 滝沢修
2. 自転車泥棒 1949 イタリア ヴィットリオ・デ・シーカ/ランベルト・マジョラーニ エンツォ・スタヨーラ
3. 禁じられた遊び 1952 フランス ルネ・クレマン/ブリジット・フォッセー ジョルジュ・プジョリ
4. 東京物語 1953 小津安二郎/笠智衆 東山千栄子 原節子
5. 野菊の如き君なりき 1955 木下恵介/有田紀子 田中晋二
6. 大地のうた 1955 インド サタジット・レイ/カヌ・バナルジー コルナ・バナルジー サビル・バナルジー ウマ・ダス・グプタ
7. 道 1957 イタリア フェデリコ・フェリーニ/アンソニー・クイン ジュリエッタ・マシーナ
8. 遥かなる山の呼び声 1980 山田洋次/高倉健 倍賞千恵子 ハナ肇
9. 八月のクリスマス 1998 韓国 ホ・ジノ/ハン・ソッキュ シム・ウナ
10. 變臉(へんめん)この櫂に手をそえて 1996 中国=香港 呉天明/朱旭 周任瑩

お仕事中 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2013/3/10(日) 16:33
地下鉄で青いシートに座っていたら、どこの駅だったか、中年女性に導かれてきた老年男性が、「はい、左」との声とともに私の横に座った。女性は「私は前に座るから」と言って向い側の座席に座った。男性の前には黒い犬がいて、服のようなものを着ている。背中に「お仕事中」と札も付いている。私は思わず頬が緩むのを感じて、向いの女性をみると、彼女も微笑みを返した。
数日前にテレビで放送された盲導犬の映画「クィール」をみたばかりで、こんどは現実に、初めて盲導犬に出会ったのだった。この偶然に、日ごろ猫を彫っている私が、人の役に立つ犬の姿に関心が行ったのかもしれない。というより、人と犬との関係に、なにか温かいもの、微笑ましい光景に感じたのだ。

隣の男性は走行中、しきりに犬の頭を撫ぜ、小声で歌をうたっている。触覚と聴覚で犬も安心するのか、男性の膝に頭を寄せてうずくまっていた。よほど「犬の名前はなんていうんですか」「おとなしくていい犬ですね」と話しかけたくなったが、男性と犬との親密な関係に割り込むのがためらわれて、声が出なかった。
私が降りるとき、彼らも立ちあがった。ドアが開くのを待ちかねるように、犬は後ろから私の足の間に鼻先を出した。「そんなに早まるなよ」と声をかけて降りたが、乗降客でごった返すなか人の動きに合わせて移動し、振り返ってみると、3人、いや2人と1頭は人波に紛れてもう見えなかった。

“風のかたりべ−アイヌ工芸展”を観る 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2013/3/8(金) 8:16
道立近代美術館で開かれた“風のかたりべ−アイヌ工芸展”を観てきた。19世紀から20世紀はじめに実際に使用された祭具や衣服、装身具、木彫り熊などと、その伝統的な民族感覚を現代に引き継ぐ美術作品の刺繍、布アート、木彫刻など、合わせて280点を展示している。
木彫をやっている者としては、どうしても木彫作品に目が行ってしまい、それこそ舐めるように観た。床ヌプリの荘厳な「ユーカラクル」、藤戸竹喜の精緻なリアリズムからくる「狼」「川の恵み」などの躍動感、瀧口政満「シマフクロウ」、貝澤徹「ホタル」などアイヌ文様を活かした斬新なデザイン、造形に力がこもっていた。

帰り道、昔、音威子府にいた砂沢ビッキさんを訪ねたときの、ごつくて大きな風貌と、意外に優しい声を思い出した。同時に考えることがあった。“森の民”であったはずの彼らが、この否応なしに汚染されていく現代社会をどう見ているのか、彼らの神はどこへ行くのか、人類の発展とはなんなのか……。

愛の鞭 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2013/2/2(土) 18:2
体罰やシゴキ事件が相次いでいる。教え諭すべき者の叱りが度を越して怒りに変わってしまったのか、現代の若者が軟弱化して愛の鞭を暴力と受け止めてしまうのか、その加減〜程度は当人同士でないとわからない。しかし、何か欠けているものがあることは確かだ。
小説を書いていた頃、第2の郷里士別で道北のPTA研修会に講演を依頼されたことがある。そのとき、私はプロボクサーで元世界Jミドル級チャンピオン・輪島功一の息子を殴る話と、木彫家・阿部晃工の母の手紙のことを話した。

輪島さんは士別出身。生涯38戦して32勝1引分5敗、32勝のうちKO勝ちが25試合というハードパンチャー、そんなパンチを食らわされてはたまったものではない。可愛いわが子に手を出すはずがないと思っていたら、当時の新聞に奥さんのインタビュー記事が載り、その中で「お父さんはお子さんを叩きますか」という質問に「ええ、叩きます。それも泣きながら叩くんですよ」と言っていた。
もちろん手加減はしているだろうが、世界の強豪を倒してきた破壊力は並みでない。それを一番よく知っている男が泣きながら叩く……。殴られた息子さんの状態は書かれていなかったのでわからない。しかし、その強烈な痛みとお父さんの涙を見て、息子さんは言葉にならないものを感じただろう。

もう一人士別出身、昭和の初期に阿部晃工という彫刻家がいた。上京し美術大学を出て修業しているとき、仕事もなく窮乏生活に耐えきれず「きょう食べる米もない、とても暮らしていけない、彫刻家になることは諦めて士別へ戻りたい」とうちへ手紙を書いた。それに答えた母・トメさんの手紙。
「だいぶ困っているようですね。まだお父さんには見せていません。帰ると言いますが、それはいけません。(中略)母はお前を天才児として育ててきました。母はそれが誇りだったのです。食べられなければ食べずに死になさい。何で死ぬのも同じことです」
読む者が息を飲む言葉だ。現在のような豊かな時代とは違い、誰もが貧しかった。家には弟や妹もいて苦しかっただろうが、晃工はこのとき22歳、骨身にこたえた言葉だったろう。母親の叱声はまだ続く。
「病気ででもあれば、どんなことでもしてやりますが、お前は母がいつまでも優しい母と思っているのは間違いです。そんな意気地なしは見るのもいやです。帰って来ても家には入れません。死んで死んで、骨になって帰って来なさい。(中略)一日も早くお前の死んで帰る日を母は待っております」
晃工は、この手紙に奮起し、歯を食いしばって修業を続け、そのあと貧困の極に達し、大相撲の出羽の海部屋に入門して飢えをしのぐも、稽古中に怪我をして彫刻家の命というべき右腕の自由を失ってしまう。絶望のあまり自殺も考えたというが、今度は彫刻刀を左手に持ち替えて修業し、帝展〜新文展に入選、さらに無鑑査となり、ついには“昭和の左甚五郎”と称される日本彫刻界の名匠に成長する。まるで講談のようなストーリーだが、実話である。
いまの親は、子供と友達のような関係になるのが多いそうで、この母のように子を叱れまい。もちろん時代が違うし、そんふうに叱ったら子供が自殺するかキレて何か事件を起こしかねない、なんて先を心配してしまいそうだ。晃工の母は、その言葉に息子が耐えうることを信じていたのだろう。心の深いところに親子の絆があっていえる言葉だ。

いっとき、絆という言葉がどこでもかしこでもいわれ、手垢染みたように感じたが、この心の絆がなければ、叱声は罵声と変わらず、愛の鞭は暴力にしかならない。

頑張るな! 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2013/1/1(火) 8:38
日本人は「頑張る」という言葉が好きだ。年賀状にも、ことしも頑張って、なんて書いてある。競技場でみんな声をそろえて、頑張れ〜と絶叫する。見舞いに行って頑張ってねと手を握る。国のために頑張る、復興のために頑張る、明日のために頑張る……大事なことだろう。頑張る人がいてくれて助かる人もいる。しかし、誰にでも当てはまることではない。頑張る必要のない人もいるのだ。

老人や病気の人は頑張らないほうがいい、マイペースでジンタカジンタカやったほうがいい。また政治家(政治屋というべきかな)は国民のためなんかではなく、自分のためか党のためにだけしか頑張っていない人もいる。こういう人に頑張られると、みんなが迷惑する。あえて「頑張るな」と言いたい。

“笑える映画”ベスト10 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/12/21(金) 16:11
なんだか世の中、面白くないことばかり。テレビを見ても新聞を読んでも、鬱陶しいことだらけ、不愉快になる。笑える映画を観よう、笑えば気持ちがほぐれ、力が湧いてくる。
私の乏しい映画鑑賞歴から10選。年末はわりと映画放映もあるので、同じ思いの人にオススメ。(面白度の順位に非ず、年代順に列挙)

 1. 赤西蠣太 1936 伊丹万作/片岡千恵蔵 毛利峯子
 2. けんかえれじい 1966 鈴木清順/高橋英樹 浅野順子 川津祐介
 3. フロント・ページ 1975 米 ビリー・ワイルダー/ジャック・レモン ウォルター・マッソー
 4. ダイナマイトどんどん 1978 岡本喜八/菅原文太 北大路欣也 宮下順子 嵐寛寿郎
 5. お葬式 1984 伊丹十三/山崎努 宮本信子 高瀬春奈 江戸屋猫八
 6. ジャズ大名 1985 岡本喜八/古谷一行
 7. 無能の人 1991 竹中直人/風吹ジュン 山口美也子 マルセ太郎 神戸浩
 8. シコ踏んじゃった。 1992 周防正行/本木雅弘 清水美砂 竹中直人
 9. 過去のない男 2002 フィンランド アキ・カウリスマキ/マルック・ペルトラ カティ・オウティネン
10.イングロリアス・バスターズ 2009 米 クエンティン・タランティーノ/ブラッド・ピット

なお「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」の両シリーズは別格扱いとし、入れなかった。

カタカナ英語 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/10/10(水) 18:16
中学生のとき英語が必修課目になったが、当時、子供心に、どの国も平等に共通語を学ぶならいいが、戦勝国の言葉を押しつけられるのを卑屈と感じて、熱心に学ばなかった。だから英語は苦手である。

昔の人はもっと苦手だったようで、私の父はバス(乗合自動車)を「パス」と言っていたし、冬、隙間風を防ぐために窓に張る透明なビニールを「ピニル」と言っていた。なんでも半濁音で発音すれば英語になると思っていたのかもしれない。

朴訥で力強い農民詩を書いたYさんに、私が小説「闇の力」を書いたさい、昭和30年代の稲作技術について指導を受けた(時代劇に殺陣師が必要なように、農村の物語に“農業師”がいてくれてリアリティを保てたと感謝している)。その彼が団体役員になり、必要に迫られて私にワープロを教わりにきたとき、「ややっこしくて、“アニマル”見てもわからんでや」と言い、笑いを堪えるに苦しんだ記憶がある。

いまや身の回りは、看板も電器製品も雑誌も薬も、カタカナ英語が大氾濫。テレビのニュースでもそうだが、とくに頭文字を抽出したような略語なんかチンプンカンプン。時代の流れが早すぎて、手持ちの外来語辞典にも載っていないから、ググってみなければならないが、パソコンのスイッチを入れている間に、なんていう言葉だったか忘れたりして、どうでもいくなってしまう。しだいに父やYさんの域に入りつつあるようだ。

特別展「〈猫〉が気になる。」を観る 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/9/27(木) 16:6
三岸好太郎美術館で開かれている特別展「〈猫〉が気になる。」を観た。
このところ猫ばかり彫っているので、絵画から題材の捉え方、表現感覚を学ぶ気持ちで行ってみた。服を着て腕組みしている好太郎の猫の絵をはじめ、油彩・日本画・デッサン・木版画・彫刻、合わせて44点を展示していた。

なによりも長谷川リン二郎[#リン=「燐」火へん→さんずい]の、あの有名な、あるいは、知る人ぞ知る油彩「猫」に出会えて、嬉しかった。なるほど片方のヒゲが描かれていない。描き始めてほぼできあがったものの、飼い猫が同じポーズにならないため、何年も待ち続けたが、そのうち死んでしまったため、とうとう描かれなかったという。その伝説めいたこだわりが興味深く、絵の前で長い間、穴のあくほど見つめてしまった。
竹内栖鳳の「斑猫」が高貴なイメージとすれば、この猫はもっと身近な、どこにでもいるような、ごく普通な猫の実在感がいい。

立体は3点しかなかったが、とくに藤島茂の木彫刻、中野五一のブロンズが猫をリアルに表現していて、動きや起伏に富むポーズに彫刻家の力を観る。こっちは穴のあくほどというより、舐めまわすように前後左右に回り込んで鑑賞した。
期間は10月21日まで。猫好きの人、見逃せませんぞ。

気になる言葉 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/9/1(土) 13:46
スポーツ選手のインタビューで、またかと思うほど無神経な言葉が繰り返される。
「みんなに感動を与えたい」「元気を与えるプレイをしたい」、そのたびにムカッとする。犬や猫に餌をやるんじゃあるまいし「与える」とは何事か、いったいキミは何様のつもり?

スポーツマンだから言葉を知らない、ではすまされないだろう。大の大人が、監督クラスの者まで平気で言っている。真似してか高校球児まで言っている。上から目線で話していることに気づかないのだろうか。せめて「みんなに感動していただけるプレイをしたい」とでも言ってほしい。意味は同じようでも、これは大違いなのだ。ファンに対する態度の問題だ。「いただける」と言えて初めてファンから声援がいただけるのでないかい。

と、ここまで書いて、まだ言い足りない、もっと大事なことがあるような気がしてきた。だいたい“感動”という現象は一人一人の心が感じることだし、それも人生において生きていてよかったとさえ感じる瞬間なのではないか。もし私が選手なら、そんな崇高であるべき“感動”について、差し出がましく自ら口にするなんて恥ずかしくでできないね。

まあ、「粛々と」とか「不退転の決意で」とか「国民のために」とか、言葉遣いは正しいようだが、さっぱり内実が伴わない“先生”方にもうんざりだが……いや、こっちのほうが大問題か。

アラン・ドロンの帽子 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/8/27(月) 9:49
病院で採血されたとき、看護師さんに「素敵な帽子ですね」とホメられた。「ボルサリーノです」と応えたが、ブランド名を知らないようだった。
「アラン・ドロンの映画の題名にもなってる、イタリア製の……」
「そうなんですか、すごいですね」
実は、アウトレットモールで、妻の助言もあって買ったものなのだ。
「もう、汚い爺になっちゃったから何を被っても意味ないんだけど」
「そんなことないです。よく似合ってますよ」と看護師さんは如才ない。
爺は機嫌よくなって、思い出すままに、
「殺し屋に扮するドロンがね、鏡を見て、こうやって」と左手で(右手は採血されているので使えない)ソフトの前ツバを「真っ直ぐにしてから殺しに出かけるシーンがある。それがカッコよくてね」……ん、あれは違う映画だったかな。
「そうなんですか、気持ち若いですねえ」と看護師さんは上手をいう。そのとき、血液を採り終えるまで、機嫌をとって動かれないようにするのが仕事なのだ、と気づいた。

映画鑑賞 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/8/18(土) 9:30
同年の友だちと映画を月1回観ることにしている。鑑賞後は居酒屋で一献傾けながら映画批評をやり、それから政治やスポーツや読書を語り、お互いの健康状態も確認し合い、なるべく深更にいたる前に帰宅する。
しかし、このごろ観たい映画がなくなってきた。2人が共通して選ぶのは、戦争物、犯罪物、時代物、たまに問題作というところ。それが次第に月1から2〜3か月に1と間遠になってきた。宣伝広告をみても観たい気が起きないものばかりなのだ。

洋画を選ぶことが多いが、戦闘やカーチェイスなんかはCGを使ってどのシーンも物凄い。“物凄い”カットは1篇に1個所(最大のヤマ場)くらいが効果的なのに、アクションシーンになるとどれもこれも凄過ぎて、なんだか疲れる。
邦画はテレビ番組とほとんど変わらない手抜き作品が目立つし、漫画を映画化したのなんか観る気になれない。時代物にいたっては現代の若者がそのまま出てきて、刀を差しているのに腰が入っていないから歩き方さえ成っていない。女性もみんな今風の顔でアッケラカンとしていて、切なさや憂いというものがまるでない。

時代の空気が合わなくなってきたのかなあ、と楽しみが少なくなってきた同士で嘆いている。

シルバーシート 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/8/10(金) 13:23
木彫仲間の一人と市街へ出かけたとき、地下鉄のプラットホームの雑踏を縫うように走って青い座席を確保したら、追ってきた仲間に「この席に座る者が、そんな元気に走るもんじゃないよ」と言われた。そうかもしれない。社会的弱者のために専用席を設けてくれているわけなのだ。ただ私はできるだけ青い座席にすわり、普通席は若い人たちに開放しておくべきだと心がけ、実践している。若作りしてあっち側に座るなんてもってのほか。

別の日、同年配に見える白髪の老人が、シルバーシートに座っている私の前に立って、吊り革につかまった。私の横は2人分も空いている。不思議に思い、席を叩いて「座りませんか、それとも健康法?」と聞いてみた。すると白髪氏はにっこりして「いや、いままで音楽会で座ったままでしたので、いまは立っていたいのです」と言った。なるほど、そういうこともあるわな、と納得、うなずいて微笑を返した。

オリンピックでアクセス急増 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/7/29(日) 8:29
今朝、わがサイトのアクセスカウンターが78人と突如急増した。
来訪者は、いつもはせいぜい10人前後、たまには0の日だってある閑古鳥が鳴く状態なのに一体どうしたことか、カウンターが壊れたのだろうか……。
いろいろ考えてみた結果、原因に思い当たった。ロンドンオリンピックで三宅宏実選手が銀メダルを獲得した、この朗報に関係しているらしい。

私は若い頃、自分は何でもできると勘違いしてウエイトリフティングをやっていた。その体験を元に小説「われらリフター」を書いた。オリンピックとはほど遠い、草野球ならぬ草重量挙げとでもいうべき領域だが、このサイトにあるので興味のある方は読んでほしい。公開のさい、一般にあまり知られていないウエイトリフティングのルールをアニメで解説した。今回、そのページに検索が殺到したということらしい。

オリンピックの余波がわがサイトにまで押し寄せるとは思いもしなかった。
おしまいになったが、三宅選手〜お父さん、父娘2代にわたる快挙、おめでとうございます。今後もご活躍を!



なお余波あり
名前:Ryoji    日付:2012/7/31(火) 18:8
1日だけのアクセス・ラッシュと思っていたら、競技の翌日も翌々日も大勢の来訪者があった。それらを加えると180人を超える方々が関心を寄せてくださったことになる(カウンターはトップページ[HOME]に設置してあるので、ルール解説のページに入って、それからトップページにきた数字ということになるから、ルールのページだけ見た人も含めればもっと多いと推定される)。

“感謝”というのも変な気がするが、まあ、ずいぶん昔に書いたレポートを読んでいただいたような気分、やはり“感謝”しておきますかな。見ていただいてありがとうございます。お役に立てたのなら幸いです。(^^;

“立体力”展を観る 返信  引用 
名前:Ryoji    日付:2012/7/1(日) 17:40
札幌芸術の森美術館で“立体力−仏像から人形、フィギュアまで”を観た。久しぶりに見応えのある作品を堪能。
円空の柔和かつ厳かな表情、高村光雲と山崎朝雲のおそるべきリアリティ、舟越桂の寄る辺なき視線……と、どうしても木彫に魅せられた。
平田剛陽の人形は意外に小さいのに驚いた。いままで写真でしか見たことがなかったので、もっと大きいものを想像していた。小さく作って大きく見えるのは非凡な精巧さのゆえか。


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