リンをコントロールするための基本原則は、以下の三つです。
@しっかり透析をする〜特に透析時間が重要 Aリン吸着剤を適量内服する B食事内容を見て、リン含有量が多いものに偏っていれば修正する
透析歴が2年目で、少し尿が出ているという書き方からは、 透析の回数や時間をけちっていませんか? 基礎体重など、体格がわかりませんが、48歳とお若いことを 考慮しますと、「一回5時間×週三回」はした方がいいでしょう。
これは目先のリンの値を下げるという目的だけではなく、 「血液透析が腎臓の働きを補う治療」であることを考えて、 将来的に合併症に悩まされる危険性を低くするためであり、 また、元気で長生きするためでもあります。
リン吸着剤についてですが、フォスブロック1錠の リン吸着力は、あまり強くありません。 だいたいカルタン1錠=フォスブロック3錠くらいです。 従いまして、貴殿の場合、フォスブロックを増量するなら 一回3〜4錠増やさないと、あまり効果が出にくいと思います。
食事では、リンの摂取量は蛋白質の摂取量に概ね比例します。 が、意外に重要なのは、食品添加物のリンです。 コンビニ弁当やお総菜を買って食べることが多いのなら、 素材から作る食事や自家製弁当に、改めるといいでしょう。 もちろん可能ならの話ですが……。
この他、活性型ビタミンD製剤を服用されていませんが、 二次性副甲状腺機能亢進症の可能性はどうでしょうか? 副甲状腺ホルモン(PTH)の値が高い様でしたら、 それもリンが下がりにくくなる原因になりえます。
いずれにしましても、リンのコントロールが大変なのは 透析患者共通の問題であって、PKD特有の問題ではありません。
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