また、ニュースレターの中に、ある養護施設の職員の方が匿名で寄稿されていた報告があり、とても心が痛みました。 養護施設に保護された子どもたちの全国的な交流会の場で知り合った関西方面の養護施設で育った虐待を受けた青年の話です。 彼から電話があって、年末年始に日比谷で設置された「派遣村」に一緒に言って欲しい、と頼まれたところから、養護施設出身者がおかれる厳しい生活環境の実体をまざまざと感じられたそうです。
養護施設に入る子どもたちは、実質18才になると独り立ちしなくてはいけません。 成績がよくても、学費を払ってくれる親がいるわけでもなく(親から保護されて入所する子どもたちですから)進学を諦めなくてはいけない。 保証人も、最初は寮の人がなってくれても、その後引っ越しや転職をするときには保証人のなり手がいなくて家を借りることが難しい。 結果的に、住み込みで働く派遣労働者が手っ取り早く、魅力的に見えて、養護施設出身者の多くが派遣労働者で、会社に提供される寮で生活している、ということのようです。それが昨年の金融危機に端を発した日本の製造業の「派遣切り」の嵐の中で、路頭に迷ってしまう。
報告を書いた養護施設職員のかたによると、日比谷の派遣村では多くの養護施設出身者に会った、ということです。 世間では「なぜ実家に帰らないのか」と言う人がいるけれど、実はあの場所に集まった若者の中には「家も家族もない」という人が多くいたんですね。
養護施設についてですが、行政の予算も削られる一方で、ケアマネージャーも、職員も、人出が足らず、ひたすらバーンアウトして行っている状況とのこと。
虐待を受けた人が、また自分の子どもに虐待を繰り返すというケースが多いことは(様々な要因があります)よく知られていることです。 心に傷を受け、きちんとケアされないまま、社会保障もなく、住む場所も無く、社会の荒波に毎年多くの若者が放り出されていることを考えると、いたたまれなくなってきます。
選挙前の嵐が吹き荒れていますが、政治ができることはたくさんあると思います。
■社会福祉法人 子どもの虐待防止センター 相談電話 03−5300−2990 (全国・相談無料) 月〜金 10:00〜17:00 土 10:00〜15:00 日・祝 休み
(了)
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