インフルエンザが全国で猛威を振るうなか、佐賀県有田町の取り組みが話題を呼んでいる。幼稚園や小中学校に通う 子供たちに毎日1本、R−1乳酸菌使用のヨーグルトを飲ませたところ、周辺地域に比べて明らかに感染率が低かった。
▼生きた乳酸菌には、ウイルスなどに感染した細胞を破壊するナチュラルキラー細胞を活性化し、免疫力を高める 働きがあるという。菌類といえば、もうひとつ注目というか、見直されているのが麹(こうじ)菌だ。
▼米や麦などで麹菌を生育させた麹は、酒や味噌(みそ)、醤油(しょうゆ)など、日本の伝統的な発酵食品の製造に 欠かせない。米から作った麹は、「糀」の漢字を当てる場合もある。家庭で味噌やたくあんを作っていた昔と違い、 その現物を見かける機会はめっきり少なくなった。
▼その麹を使った手軽な調味料、「塩麹」の作り方が、テレビや雑誌で紹介されて、ちょっとしたブームとなっている。 材料は、麹と、塩、水だけ。今の季節なら、常温で約10日間発酵させたら、密閉容器に入れて冷蔵庫のなかで 約半年間保存できる。
▼小欄も先日、スーパーで麹を見つけて、仕込んでみた。魚や肉に付けて焼くとうまみがまし、野菜とあえるだけで 即席の漬物ができるというから、出来上がりが楽しみだ。
▼ところで、麹づくりの種菌となる「種麹」は「もやし」とも呼ばれる。蒸した米や麦のなかで麹菌が菌糸を 伸ばして育つ姿を、草木を芽吹かせ、「萌(も)やす」様子になぞらえたからだといわれている。当初アニメ ファンの間で使われていた「萌え」が、今や日本の現代文化を読み解くキーワードとなって久しい。麹菌の魅力も また、世界に打ち出すべき、日本のソフトパワーのひとつだろう。
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