休みの日から俺はトレーニングに励む。休みの日のトレーニングのいいところは時間に追われないことで、つい白熱して仕事で遅刻することなんてない。別にこれと言って目標がないわけだから真剣にトレーニングなんてする必要なんてないのに、つい白熱してしまうところなんざ典型的体育会系んなんだろう。 そんなトレーニングの前にふとオモテに出るとマナーの悪いワゴン車が走ってくる。ワゴン車と言うのは、家族か無頼者が乗ってることが多い。昔なんか、マナーの悪いワゴン車にひき殺されそうになったことがある。ワゴン車と言うのは空間携帯だから、自分達以外はかかしに見えるのかもしれない。
どうせワゴン車だからマナーが悪いのはわかっている。俺は無視して通り過ぎると、クラクションを鳴らす。何だ、と思ってみると目尻に傷がある黒のカッターシャツを着ているヤクザだ。俺は変に目を合わせると何をされるかわからないので地面とにらめっこする。すると、「おい!芳」と言う。誰かと思えば、中学時代のヤンキーの頭、ツトム(仮名)だ。 俺も自分のワルさには相当自信があるが、ツトムほどのワルを見たことがない。ツトムは俺達とまるで住んでる世界がまるで違っていた。気の弱いヤツからタカリをかけてることを鼻息を荒くして自慢しているヤツというのはゴマンといるが、ツトムは今時めずらしい近隣学校をシメた総長と言うヤツだ。英雄肌が強く、「何かあったら俺んとこ来いよ」と俺によく言っていた。もっとも本当に何かあって、ツトムのところに行ったことはないが。
ツトムとは何言か話しただけだが、別れ際に「電話しろよ」と言ってたがしてない。「何かあったら俺のとこ来いよ」と同じで真に受けたら、暗黒街でのさばる悪党になってしまうかもしれない。
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