初めてデートしたのは幻魔大戦だったね。 私、デートに誘ってもらったんだと分からなかった。 映画の帰り、デパートの屋上でパックマンすごくうまかったね。 私はあのとき初めて、コンピューターゲームを見たんだよ。
やっちゃんが次々やっつけるのをずっと見てた。 見てるだけで楽しかった。 全然退屈しなかった。
球速を計るゲームもしたね。 やっちゃんすごく早かったね。
私の方が背が高いのに、私の方が遅かった。 野球は自信あったからショックだったけど、全然悔しくなかった。 やっちゃんすごいや、かっこいい!と思った。
みんなで 「誰が何色のイメージ」ってのをやってたとき 「紫」って私の事例えてくれたね 「貴婦人の色」と恥ずかしそうに小さい声で言ってくれたね。
みんなの 「えー、なにそれ」 「紫って欲求不満色なんじゃないの」 ってブーイングでかき消されて、 実は、私も有耶無耶になってちょっと助かった。 すごくビックリしたからどうして良いか分からなかった。
やっちゃん、ジェダイの復讐、吹き替えセリフ、カセットで録って丸暗記してたよね。 あの頃、ホームビデオなんてなかったもんね。 あのね、同い年の男子みんなスターウォーズ大好きなのに気がついたの。 そしたら全部、すーっと繋がったの。
遅いね。 もっと早く気がつけばよかった。 もうおばさんになっちゃった。
両想いだったんだよね? 私の思い違いじゃないよね?
私がまだ若く、おそらく人生で一番綺麗だった頃、 一度、実家の近くで会ったね。 暗い夜道「綺麗になって」って言ってもらえて嬉しかった。 あの頃の私を見せる事が出来たのがせめてもの救いやよ。
たくさんたくさん傷ついて、たくさんたくさん汚い物を見たよ。 でも、疲れたおばさんになったから、 昔の綺麗な思い出にすがってるんじゃないよ。
どこかで見てくれてるかも知れないと 掲示板に書いてみようと思ったの。
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