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身土不二生の食放談

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282.身土不二生の食放談(492) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:2月3日(木) 11時11分
 
●ふだんの食の在り方について真剣に考え、根本的に改めよう

世界の多くの人々の恩恵をこうむって(いや犠牲の下に)営まれている私たちの豊か
な食生活を、いかにも自分の甲斐性で食べているように勘違いしてはいけない。
美食・飽食をほしいままにしながら、わけもわからないまま「より安全、よりおいしさ、
より健康を」と声高に叫ぶ。

これまで、「身土不二」、「地産地消」「旬産旬消」、あるいは「スローフード運動」
などと、私たちの食の現状を見てきたように、わが国は大半の食を海外に依存
しながらも、まさに「吐いて棄てる」ほどの物量に充たされている。このあり余る
食料のモノ豊かさの中にありながら、現代の食はその本質から逸脱し、秩序なく
堕落・荒廃した。
こうした食の在りようが、日本人の大人も子どもも含めて肉体の健康のみならず、
精神の健康まで蝕んでいるといわれます。

多くの人が、基本を離れた好き放題の食べ方をしながら、健康のためには
あの食べ物がいい、この飲物がいいなどと気にし、中には健康補助食品や
薬が手から離せないという人も多くいます。
にもかかわらず、私たちの生命を育み、健康な心身を保持する普段の食の在り方
について真剣に考え、根本的に改めようという風潮はなかなか広がっていきません。

食の安全安心についても、マスコミを中心に大きく騒がれているほどには、
日本人である私たちの健康にとって、何をどう選択し、どう食することが最も良い
ことなのかは、生産も流通も、消費形態もあまり変っていないように見受けられます。

「今日の食にも事欠く」というような状態にでも陥らないことには、
本気で食について考えるということは出来ないのでしょうか。

281. 身土不二生の食放談(491) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:2月2日(水) 22時3分

●山形スローフードの取り組み

また、2002年3月に発足した「山形スローフード協会では」、
山形において取り組むスローフードについて、
次ぎのように述べて呼びかけています。

「山形県は自然に恵まれた食料の供給基地で、四季に応じて
さまざまな食材が産出されます。
漬物のバラエティも目を見張るものがあり、山菜の豊富な事も
自慢のひとつです。
さくらんぼやラフランスのように山形県独特の果物もあります。
お米も『生え抜き』の人気上昇と共に昔の人気品種『サワノハナ』や
『亀の尾』の復活の話題も興味深いものがあります。

そして地酒とくれば、山形はこのところ技術的に高い水準を保ち、
鑑評会でも金賞入賞の蔵が多く注目を浴びています。
郷土料理も置賜、村山、最上、庄内と、それぞれの土地の伝統ある
料理が数多く食通を堪能させています。

しかしながら、次の世代の人々は地元の食材や料理より標準化された
画一的なファーストフードやインスタント食のほうを好む傾向にあり
『食の貧困化』がますます心配されます。

日本全国にはびこるファーストフードや、インスタント食一辺倒の
食生活を、ここら辺で断ち切り、豊かで健康的な
『スローフード』に関心を持って頂くよう、
私たちの力で意識を変えて行こうではありませんか。

それは日頃から『食』に関心の強い、『食』に愛着を持つ私たちの
責務ではないでしょうか。
日本の食の健全な未来のためにスロースローと行動を起こしましょう。」

280. 身土不二生の食放談(490) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月28日(金) 18時43分

●「宮崎・綾スローフード協会」の設立宣言

「宮崎・綾スローフード協会」の設立宣言には、次ぎのように述べら
れています。
「日本には『身土不二』という言葉がある。これは自分の住んでいる
四里四方(16Km)で採れる食物を食べていれば病気をしないと言うこと
の意である。食材にも四季折々の風土に根付いた作物が豊富にある。
世界には様々な『だし』があるが、昆布、鰹節、椎茸で取る日本の
『だし』には唯一脂肪分が出ない。このことが日本料理の神髄ともな
っている。日本料理には『だし』を生かした素朴な郷土料理から繊細
な風味を演出した懐石料理や精進料理がある。この三つの『だし』の
素材もすべて近郊で採れる。しかし今日の化学肥料・薬品の普及、食
品工業の発達、学校給食の普及、住居形態の変化など日本人が古くか
ら伝承してきた、食に関する感性や美意識と共生できない環境になっ
てしまった。

今急いでしなくてはならないことは伝承の味、伝統の薫りを復活させ
たり、旬の文化を守り季節感を取り戻すことである。そして日本人と
して、豊かな自然の恵みを生かして作り上げてきた、古来の郷土料理、
食文化の伝統を大切に守り育てて子孫に伝えていくことである。これ
までの伝承行為が崩壊したのは食べ物に問題があったのではない。食
べてきた人間(即ち、作ってきた人間)側に問題があるので生産者と
消費者が賢くなる必要がある。

我々はこの度、スローフード運動の精神に共感し、事業を展開してい
く所存であるが、イタリアと日本の飲食習慣はかなり異なる。食卓の
構成、主食となる食材、気候風土、習慣、歴史、宗教、文化など。こ
れからは日本人としての食の味わい方、楽しみ方や自分の生活全般に
対するあり方を考えながら日本的スローフード運動を展開していきたい。

宮崎県の綾町は現代の食の現状を予期し、日本で最初に自然生態系農
業に取り組んできた町である。風土に適した独特な柑橘類や日本一の
照葉樹林帯 (3,000Ha) から採れる山野の特産物、ミネラル豊富な
清水、淡水魚類など貴重な食資源の宝庫でもある。我々はこの綾町
(東西約9Km、南北約13Km)の風土を堅持し、スローフード運
動を通じて、健康で豊かな地域食文化を育もうとするものである。」

279. 身土不二生の食放談(489) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月26日(水) 18時0分

●日本でいち早く「生態系農業」に取り組んだ、宮崎県綾町

15、6年前から、これからの日本の農業や食の在り方に危惧を抱く、
生産者や消費者、流通業者の代表に行政や関連のマスコミ加わって、
有機農産物等のガイドラインづくりをはじめ、その普及について
研究検討をする「日本生態系農業連絡協議会」なるものが発足し、
東京で定期的に会合が重ねられてきた。

当時、宮崎県綾町はすでに町長が先頭に立って、
環境に優しく健康に良い農産物作りをめざし、
町を上げて「生態系農業」の実践・推進に取り組んできた。そして、
綾町の町長自らが「日本生態系農業推進協議会」の会長を務め、
地元宮崎のみならず、全国の自然生態系農業・循環型農業の推進に
大きな役割を果たしてきた。
宮崎県綾町発の健康な農産物は安心安全を求める全国の消費者に
大歓迎されている。

この宮崎県綾町に200年5月、
「宮崎・綾スローフード協会」が発足した。

278. 身土不二生の食放談(488) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月26日(水) 0時29分


●スローフード宣言

念のため、同書よりに「スローフード宣言」を紹介いたします。
「我々の世紀は、工業文明の下に発達し、まず最初に自動車を発明することで、
生活のかたちを作ってきました。我々みんなが、スピードに束縛され、
そして、我々の慣習を狂わせ、家庭のプライヴァシーまで侵害し、
ファーストフードを食することを強いるファストライフという共通のウィルスに感染しているのです。
いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機へ向けて突き進もうとするスピードから、
自らを解放しなければなりません。
我々の穏やかな歓びを守るための唯一の道は、
このファストライフという全世界狂気に立ち向かうことです。
この狂気を、効率と履き違えるやからに対し、われわれは感性の歓びと、
ゆっくりといつまでも持続する楽しみを保証する適量のワクチンを
推奨するものであります。
我々の反撃は、スローフードな食卓からはじめるべきでありましょう。
是非郷土料理の風味と豊かさを再発見し、
かつファーストフードの没個性を無効にしようではありませんか。
生産性の名の下に、ファーストフードは、我々の生き方を変え、
環境と我々を取り巻く景色を脅かしているのです。
ならば、スローフードこそは、いま唯一の、そして真の前衛的回答なのです。

真の文化は、趣向の貧困化ではなく、成長にこそあり、
経験と知識との国際的交流によって推進することができるでしょう。
スローフードは、より良い未来を約束します。
スローフードは、シンボルであるカタツムリのように、
この遅々たる歩みを、国際運動へと推し進めるために、
多くの支持者たちを広く募るものであります。」

277. 身土不二生の食放談(487) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月23日(日) 12時28分

●スローフードの3つの軸

そして、島村菜津さんは続いて次にように述べている。
「15年前、20人ほどの食事会で、メンバーの一人が
『それじゃァ、われわれはファーストフードの対して、
スローフードでいこうや』とつぶやいた一言が始まりと。
そして1989年にパリでスローフード宣言を発表し、
正式に会が立ち上げられた。

スローフード運動には『活動の3つの軸』があり、
その第1は『多様な味』ということ。

土地土地の伝統料理とか。名産というのは非常に微妙な問題だが、
その土地固有の農水産物、あるいは宣伝力のない小さな生産者を
守ろうということ。

第2は『分かって食べる』ということ。
これだけものが複雑になってくると、消費者が何を食べているのか
自分でもさっぱりわからない。想像さえつかない。
消費者の味の教育。子どもたちだけではなく、
子どもを育てている親の世代がもう分からなくなっていますから。

第3は『ノアの箱舟運動』と呼び、
ほうっておけば絶滅しそうな味をまもろうということ。
自由化によってなぎ倒されている。品種の画一化が進んでいる。
ファーストフード化によって、プロの料理人の首も危くなる。
マニュアルさえあれば素人でいいということのなって、
日本の料理文化も危い。」と述べている。

276. 身土不二生の食放談(486) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月22日(土) 11時16分

●イタリアのスローフード運動

『スローフードな人生!イタリアの食卓から始まる』を著したノンフィ
クション作家の島村菜津さんは、次ぎのように語っています。

「イタリアにスロー運動協会なるものがあり、その面々が作ったことば
である。『ゆっくり食べよう』運動だと思っている人があるが、ただゆ
っくり時間をかけて食べればスローフードであるかというとそういうこ
とではない。

せっかちな日本では、ごはんくらいはゆっくり食べようということも重
要だが、それだけで終わってはならない。誤解されているファーストフ
ード不買運動とか反対運動でもない。『スローフードというのは、ファ
ーストフードの反対ではなく、ファーストフードな考え方に反対するの
だ』。それはファーストフードを支える考え方は、世界中、いつでもど
こでも同じ味、同じ質を提供する考え方だ。これが、ピューリタリズム
とかアメリカの平等主義などと非常にマッチして、日本の70年代の気
分ともマッチして、気がついたら世界的にこれだけ増えたわけだが、ス
ローフードはその反対を目指すのです。それは、世界中どこも同じでは
ない味の世界、世界の多様な味を守ろうと言う運動だ。

スローフードは又、食べもののことだけにとどまるものではない。自分
の家族、自分と友人、恋人などの人間関係。それから家族関係。地域、
社会との関係。あるいは自分の里山との関係。つきつめれば、環境とか
自然とかとの関係。そういう、あらゆる関係性の間に食があって、その
関係性があまりにファーストに傾きすぎた。それは大量生産、大量消
費、大量流通かもしれないし、あるいは効率主義や、営利主義かもしれ
ない。そうしたことが、あまりにファーストに傾きすぎたことによっ
て、いろいろな歪みが出てきている。アレルギーも。O―157も、B
SEもそうだろうし。いろいろな問題が吹き出している。あるいは『キ
レる子ども』。そういうすべての歪みが、結局、関係性がファーストに
なりすぎたところから生じている。『そこにわれわれはスローという言
葉をあてがうんだ』といわれたんです。

スローフード運動というのは、結局、その関係性の真ん中に食があっ
て、その関係がファーストに傾きすぎたことによって起こる歪みを修復
する運動なのです。首都ローマに世界最大のファーストフード、マクド
ナルドが進出してきた。日本と違って非常な物議をかもした。ファース
トフードは永遠の都の品位を落すとか、子供たちが食べ散らかしてゴミ
を捨てる、夜中に騒音を立てて若者がバイクで乗り付けるのではないか
など。ピザのような気軽に食べられる伝統の食事がどんどん忘れられて
いくのではないか。」

275. 身土不二生の食放談(485) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月20日(木) 14時55分

●スローフードは当たり前の食文化

「スローフード」運動が声高に叫ばれるようになってきたことは喜ばしいのだが、
食物の生産に関わる農漁業者や一般の人たちの普段の食生活とは一歩距離を置いて、
一部のエリート意識を持つ人や、グルメ指向の人たち、あるいは文化人を気どる人たち、
専門的な飲食店や料理研究家など、特別意識を持つ人々の中で盛んになってきているように思われる。

「スローフード」とは、何も特別なことでも珍しいことでもない。ちょっと振り返って見れば、
数十年前まで日本中のいたる所にあったし、農漁村ではまだ息づいているのである。
先にも述べてきたように、私たちの先人が永年築き上げてきた「地産地商、旬産旬消」「身土不二」
の伝統的食文化であり、地域に根ざした最も理想的な生き方文化であり生活信条そのものなのである。

「狭い日本。そんなに急いで何処へ行く」という言葉が流行ったことがある。
朝食もろくすっぽ食べないで駆け出していく亭主や子供たち、食卓を囲み
一家団欒で楽しみながら味わう料理をじっくり作る余裕もない主婦。
私たちの追っかけている豊かさは、何かが間違っているのではないか。
もう一度考え直し、本来私たちの足元にあった本物の味わいある人生のあり方を
呼び戻さねばならないのではないだろうか。

274. 身土不二生の食放談(484) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月19日(水) 13時22分

●「身土不二」から程遠くなっている私たちの食

「何かおいしいものが食べたい」――「なら何か食べに行こうか」
「なら何か買いに行って来ようか」。
「月給前だから家で我慢しとこか」。
「今度友達が訪ねてくるからどこへ連れてこか」。
ちょっと出かければ様々なレストラン、ファーストフード、飲食店がある。
コンビニがありスーパーがあり弁当屋がある。

家庭の料理は面倒だからとだんだん手抜きになる。
心が入らず、食卓は貧しいもの、美味しくないもの、
我慢のもの、感動のないものとなる。
家族の喜ぶ料理もテレビコマーシャルの即席カレーやスープや
味噌汁なんてことになる。
お客様が見えても手料理でもてなすなんて失礼なことになる、
というより煮物料理も魚料理も自信がない。
家庭で食べる毎日の食事でさえその料理のほとんどが外部化されたもの。
地場産の食べものにこだわってなんてとんでもない。
「地産地消」「旬産旬消」など入る余地もないし、健康を願っての
教えである「身土不二」に至っては程遠いものになってしまった。

生産から消費に至るまで、あまりにも企業化、商業化、
商品化され過ぎてしまった日本の食。
本来私たちの住む直ぐ周りにあった自然の食材も旬も消えてしまった。
料理も伝統的食文化も失われてしまった。
そしてそれが進むにしたがって食べものの作られ方も売られ方も、
食べ方自身も危ういものとなっていっています。

「自分の食べるものと違って買い手の評価によって決まる売り物ですから
どうしても止むを得ないところがあるのです。
必要のないところに手をかけ、ないほうが良い余分なものを付け加えたり、
したほうが良いことをわざわざ手抜きする」

これは、私が日頃お付き合いする真面目で良心的な農産物を作る生産者や
食べもの作りに関わる人たちの偽らざる本音です。

地場商品を食し、地域の農業やまじめな食づくりを育てていくこと、
「地産地消」「旬産旬消」はとても重要な意味を内包しています。

273. 身土不二生の食放談(483) 返信  引用 
名前: 身土不二生    日付:1月18日(火) 12時27分
 身土不二生の食放談(483)

●子供たちを、もう一度「地域の食卓」の場へ

 結城氏の文は続く。幸い北上町には、他の町が失いつつある「地域の食卓」が健在だった。「北上町の子どもたちを、もう一度地域の食卓の場へ」――の呼びかけに女性たちはこたえてくれた。テーマは精進料理で、いまも続いている観音講の後に供される昔ながらの料理。地場の食材を使い、皆で料理し、皆で味付けをする。招待された小学生は34人、料理が出来るまでの間を利用して「北上町の食べ物読本」を使っての授業も行われた。

――北上町は食べものの宝島。それは海、山、川、田、畑があるからなんだ。おばあちゃんたちに聞いたら300種類以上もおいしいものがあったよ。1本の大根だって「切り方」が沢山あるんだよ。いくつ知っているかな? 観音講って、お母さんたちの休みの日だったんだよ。そこで食べられたのが精進料理。これは日本料理の基本なんだ。五味、五法、五色、わかるかな? どうして食べる前に「いただきます」って言うんだろう? 誰に「いただきます」というんだろう?――
 その一つ一つの質問に目を輝かせて答える子どもたち。そして食卓へ。「油揚げとコンニャクのクルミあえ」「たけのこ、コンニャク、しいたけの煮もの」「りんごの砂糖がけ」「きゅうりの一夜漬け」「大根、人参、油揚げ、とうふ、まめふの汁もの」そして白いごはん。全員がひとつも残さずに食べ終えた。

 小学校3年の女の子の感想文である
《今日、おばあちゃんたちのりょう理を食べました。おばあちゃんたちはとってもいい人たちでした。りょう理もうまそうでした。それにきのうから料理を作っていてくれたそうで、先生は、そのことをたくさんお話してくれました。わたしがいちばんおいしかったのは、くるみをつぶしてこんにゃくを切ってあぶらあげも切ってまぜたやつが、とってもおいしかったです。おばあさんたちに作ってもらって、うれしいと思いました。今日はおばあさんたちとすごせてよかったです》

 人においしく食べさせたい。そう思う気持ちから生まれるものを料理という。たとえ限られた食材であれ、食の心は子供たちにまっすぐ伝わる。

272.お知らせ 返信  引用 
名前:Administrator    日付:11月10日(水) 4時23分
読者の皆様へ
執筆者のご都合で
しばらくの間お休みをいただきます。

271.身土不二生の食放談(482) 返信  引用 
名前:身土不二生    日付:10月26日(火) 19時31分
 
●自然の恵みである宝の山、安心して子育てができる

結城氏は、何もないはずの北上町の女性たち3人にアンケートを試みました。
1、一年間自家生産している食材にはどんなものがありますか? 
2、いつ頃種をまき、いつ頃収穫しますか? 
3、それらの食材はどのように調理料理、加工保有していますか? 

全員が丁寧に答えてくれた回答に結城氏は驚嘆したといいます。

というのも、その数なんと300余種にわたり、
庭先の畑で育てる野菜や穀類が90種。
里山からの山菜などが40種。きのこ30種。果実と木の実が30種。
海から魚介類と海藻が約100種。
目の前を流れる北上川からウナギ、シジミなどの淡水魚が20余種。

天然記念物のイヌワシが舞う山々、
リアスの海、その海と出会う大河北上川。
ていねいに耕やされた畑と黄金色の稲穂が実る田んぼ。
そこは知られざる食材の宝庫であった。
海、山、川、田、畑と食材を育む自然要素をこれだけもっている
類まれなる風土であるのに、なぜか人々はこの町を何もない町と呼ぶ。

おそらくこの町にもコンビニもファミレスも、
商店街らしきものもないからであろう。

結城氏は自然の恵みである宝の山に埋もれていながら、
都会の暮らしを基準にして、この村には何もないと、
その豊かさに気付かずにいることを述懐している。

だが、そんな食の風土の豊かさと暮らしやすさの
値打ちを知っているのは女性たちである。
30数年前にこの町に嫁いで来た老婦人は
「見知らぬこの町に嫁にきて、ここは安心して子育てができると思った。
田や畑や山からだけではなく、海からも四季折々のご馳走がやってくる。
ここは金がなくても楽しく暮らしてゆけるところだと思った」と語った。

270.身土不二生の食放談(481) 返信  引用 
名前:身土不二生    日付:10月25日(月) 9時1分
 
 ●都市の基準で地方を見るな!

 前回ご紹介した民族研究家の結城登美雄氏は、人口4000人が、
 海と川の出会う河口の町、宮城県北上町の女性と「食育の里づくり」
 という地域活動にも取り組んでいます。
 結城氏は次ぎのように述べています。

 「子どもたちの食をめぐる心配は枚挙にいとまがない。
 人生を生きるとは、まず食べることである。
 いや、食べて後、人生は始まると言ってよい。
 しかしこの国では、食に関する教育も学びも軽んじられてきた。
 そのツケがあちこちに廻ってきたとの警告もしばしば聞かれる。
 もはや学校も家庭も、食のイロハさえ伝える場ではなくなりつつある」

 「私たちの社会では、食の商人たちは増える一方だが、
 食の大切さを教える教師はいっこうに現れない。
 真の教師を探し求めて北上町をたずね歩いた」 

 「北上町はその存在も希薄で、少し知る者にとっても
 ワカメとシジミをわずかに産する町としか認識されていない。
 「食育の里づくり」を推進しようとする行政関係者も、
 何もない町ではないかとためらったほどである」

 「よい町とは都市にあるものをどれだけ所有しているか、
 豊かな町とは他に売れる物がどれだけあるかを基準にしているからである。
 600ヶ所近い東北の村々をたずね歩き、私が得た教訓と自戒は、
 “都市の基準で地方を見るな!”
 “金のモノサシで人間の暮らしを判断するな!”であった。

269.身土不二生の食放談(480) 返信  引用 
名前:身土不二生    日付:10月23日(土) 12時7分
 
  ●「地産地消」「旬産旬消」の食生活が美しい豊な自然環境を作る

 私たちの健康な心身を養ってくれる安心で健康な良い食べものを作るには、
 良い空気、良い水、良い土壌、良い自然環境があってはじめてできることなのです。
 言い換えればその地域の素晴らしい健全な自然環境は、空気、水、土、
 諸々の動植物を含めたバランスの上に自然環境は成り立っていて、
 その環境によって私たちの食べものは作られ、その食べものによって
 私たちの心身が育まれ、環境に順応して健康な生命活動が営まれているわけです。

 まさに「身土不二」。地域の環境と私たちの命とは一体です。
 健康を願うならば健全に育った良い食べものを食べなければなりません。
 良い食べものを求めるには地域の環境を健全にする努力を怠ってはなりません。

 「地産地消」「旬産旬消」の食生活を柱として、地域のきれいな空気、
 きれいな水、健全な土壌、美しい環境、豊かな自然生態系が
 維持促進されてゆかねばなりません。
 環境を含めて生産から消費に至るまでを、そして
 その消費がまた良い生産や良い環境づくりにつながるに至るまでを、
 地域の消費者と生産者が一体となって、多種多様な良い地場産の
 食べものの作り方と食べ方を復活推進させていく。
 それが地域に密着した四季折々の豊かな知恵の食文化を培っていくこととなり、
 地域に住む全ての人々の健康増進する。
 良い食生活と良い環境づくりが一体となった健全な循環型の
 地域社会につながっていくことが大切だと思います。

268.身土不二生の食放談(479) 返信  引用 
名前:身土不二生    日付:10月22日(金) 14時3分
 
●空気、水、土、地球の環境と私たちの命とは一体です。

 「身土不二(しんどふじ)」という言葉がありますが、
 人間の心身の健康と、その住んでいる土壌、気候風土、自然生態系
 とは切っても切り離せない一体のものなのだということです。
 その住んでいる土地の空気、水、土、諸々の動植物と密接な関係を
 保ちながら、その生態系の一員として人間の生命も成り立っているわけです。

 私たちのからだはその土地の空気を吸い、その土地の水を飲み、
 その土地で出来たものを食べ、その土地のもので体が
 でき上がっていますから、その土地の環境と調和して健康に
 暮らせるのです。

 ですから、「身土不二」は、人が健康であるためには、
 その住んでいる土地で採れた旬の食べ物を食べなさいという
 「地産地消」「旬産旬消」を教える昔からの知恵なのです。

 私たちの毎日食べる食べものは、農産物にしろ畜産物、海産物、
 あるいは加工品にしろ、その食べものの育つ土地の太陽の光を浴び、
 その土地の空気や水や土壌から出来上がっています。

 ところが、日本の食糧自給率は40%ですから、私たちの体の半分以上は
 外国の水や空気や土壌で出来ていることになります。
 「身土不二」の教えからは程遠いものになっています。
 外食や調理済み食品、加工食品への依存度の高い人は、
 80%も90%も外国産の日本人ですね。


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