布団かぶっててもなんだか胸元がスースーして寝付けなくて。 気分転換にコンビニでも行くかと、静かに着替えて、寝てる兄貴起こさねぇようにこっそり家を抜け出した。 深夜の住宅街はひっそりとして、ちょっと湿った静かな夜の空気が堪らなくて。 そわそわと落ち着かなくて居ても立ってもいられなくて、なぜかバイク飛ばして国道走ってる。 なぜか、なんて本当は。 終電もとっくになくなって、昼間とは違って少ない数の車やゴテゴテに飾り立てられたトラックの合間をすり抜ける。
会いたくて会いたくて。ただ、会いたくて。
もうとっくに寝てるだろう顔を想像して、こんな時間に会いに来たと言ったらどんなリアクションが返ってくるだろうかと思うと、メットの下で頬が緩む。誰かに見られたら確実に気持ち悪がられるだろうけど、フルフェイスのヘルメットじゃトラックのあんちゃんからは表情なんて分かるわけない。 ちょっとしたイタズラ気分も混ざって電話もメールもせずに。
会いたくて会いたくて。ただ、ぎゅってしたくて。
こんなつもりじゃなかったから、薄着で。夜風を切ってだんだんと冷えていく身体が寒さ以外のもので震える。笑い出しそうでしょうがない。 エンジン音に紛らせてちょっと声に出して笑ってみると、どんどん楽しくなってきて。信号待ちで慌てて表情を引き締める。多分、笑いをこらえた顔が引きつってる。
会いたくて会いたくて。ただ、会って抱きしめるために。 だって、ココがスースーする。 代わりに去年の誕生日に貰ったペンダントの飾りを服の上から強く握って、エンジンをひとつ噴かしてから、青に変わった信号を隣で同じく信号待ちをしていたトラックより早く飛び出して行った。
深夜の悟浄。 受け攻めお相手はご自由に。正解は何でしょうか?(笑)
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