遂に五月二十四日の朝は明けた。 前日は、旭川には珍しい激しい風が吹いていた。旭川の五月の風は寒い。この寒さでは、ウエディングドレスはさぞ寒いことだろう。わたしは心配していた。ところが当日は、朝から汗ばむほどの、風ひとつない良い天気だった。まるで、病気上がりのわたしを、暖かく包んできれるようなすばらしい晴天の日であった。(新潮文庫「道ありき」より引用)
「兄ちゃん!あれは何だ!?」 噛みつくような耕作の声に、拓一は指さすほうに目をやった。沢の入口に、真っ黒い小山のようなものが押し寄せて来る。 「あっ!あれは!・・・」 拓一が驚く間もなく、その黒い小山はみるみる沢口一杯にせり出して来た。と、その黒い小山は、怒涛が崩れるように出口に広がった。 拓一と耕作の目が恐怖におののいた。 「じっちゃーん!山津波だあーっ!早く山さ逃げれーっ!」(新潮文庫「泥流地帯」より引用)
それぞれ1959年と1926年の5月24日に起こった出来事。 今の自分に深く関わっているのだ・・・と思いつつ。
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