共感できない本を読む:下郷沙季 問題提起と結論が応答しているのは気持ちよかったですが、反対論としてあがっている例がそれこそ違和感があり、居心地を悪くしました。世代で分けなければ良い着眼点であるし、読書好きとしては痛い指摘でもあり、書き直しさせてあげたいひとつです。(S)
意識における「壁」:久田翔子 ひいらぎ養護学校との交流で感じた違和感が、自分自身でも未だ解消できていないもどかしさを論じている。本当の意味で、彼女が結論を得ていれば、もっと説得力のある論文に仕上がったものと思われる。(H) 違和感のきっかけは高校生らしく、自分なりの視点からの問題提起はよいと思います。他の人がわかりやすいように、できれば一読してわかるように使う言語を再構成することを大事にしてもらいたいと思いました。(S)
私の中の違和感:前野かおり 携帯電話でのコミュニケーションに於ける違和感を論じたもので、父親の年賀状での人との繋がりと対比を論じている。では、彼女がこの違和感をどう解消していこうとしているのか、もう一歩踏み込めると良かったのではないかと思われる。(H) 高校生だから書けたものと思いました。論文の形としてはこういうものもありと考えるなら、言いたいことはわかりやすいし、一生懸命考えたことがわかり、そして説得力ある内容であったと思います。(S)
新たな日本に出会うために:田中康隆 「日本は狭くない」という主張は今回の論文顕彰のテーマに最もふさわしいもののひとつであった。もっとしっかりと論拠を展開できていれば最優秀賞に手が届いていただろう。(T) ニュージーランドでの体験を基に、「日本は狭い」という概念を改めて検証し、単に国土や人口密度の問題ではなく、価値観の問題であることを論じている。「狭い」という言葉が、単に比較において用いられるものである点を整理し論じると更によくなったと思われる。(H)
日中関係 : 松尾香枝 ゴミ、偽もの、偏見といった問題が取り上げられているが、読みやすい反面、やや散漫になっているように感じられる。いずれかひとつのテーマをもう少し掘り下げてみても良かったと思われる。(N)
今だから : 間瀬啓太 本当に言いたいことを、もう少し整理できればより良いものとなっただろう。(N)
審査を通して、若い世代のさまざまな論文を読むという貴重な体験ができたことに感謝しています。この論文顕彰が、今後ますます発展していくことを願ってやみません。
(T…土平章博 H…橋口和典 S…鷲見智子 N…二宮洋一) (文責・二宮)
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