長期休暇が終わって、大学が始まると僕はすぐにワンゲルの同期を部室に呼び出した。僕らの代は僕とそいつしか居ない。二人でこれからやっていかなければならない。はじめに話さなければならないとしたら彼だろう。僕はそう思った。彼も僕も同じ電気科だったので同じ授業とかで話す機会とかもあったけれど、僕は大勢の前で話す勇気はまだなかった。だから、そのときは昼休みのちょっと手前に部室に来るように伝えただけだった。 僕は緊張しながら部室に向かった。70号館から真直ぐに部室棟に入ってみると部室のドアは開いていた。もう来ているのだろうか、とも考える前にアニソンが聞こえてきた。中に入ってみると部長が居た。今の三年の中では彼が一番優秀だった。単位を多く取っているために自然と部室に居ることが多かった。しかし、今は邪魔だ。とその時の僕は思った。「ちょっとやる事があるので出て行ってもらえませんか」単刀直入に僕は言った。まだ、この時の僕は怖かったのです。一人に話すことよりも二人に話す事のほうが断然に難しく思えた。彼はゲームをやり終えると鞄にラークを詰め込んで出て行った。其れから数分後に同期はやって来た。 僕は部室の段になっている内側のソファーに居た。彼を反対側の席に座るよう促した。その体勢であれば僕は目線をあげる必要が無かった。ずっと上目遣いで見ることに抵抗があった。どうしても卑屈に見えるのではないか。細かいどうでもよいことが気になって仕方なかった。一番楽な姿勢で僕は臨みたかったのです。 一旦僕が話を始めると僕の語る言葉を静かに彼は聞いていた。僕が惑っても、彼は唯僕の言葉を待っていた。そして胸の内を全て曝け出した後、彼はこう言った。 「それは気に病むことではないよ。別に君がホモだろうが、そうでなかろうが誰も悪く言う人は居ないと思うよ。少なくとも僕はそうだよ。」 その言葉に僕は救われたのかもしれない。これまで悩んできたことが大した事でないように思えてきた。それはとても心地のよい気持ちだった。
ですから、このように僕は僕自身を告白したのです。
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