ときどき怪しげな書き込みがあるので、防止策にならないと思いますが、ここで何か投稿しておきます。
「(略)固(もと)より世の中と云ふものは然う面白い義(わけ)のものぢやないので、又人の身の上ほど解らないものは無い。其は其に違無いのだけれど、衆(みんな)が皆那様(そんな)了簡を起して御覧な、世界中御寺ばかりになつて了(しま)ふ。儚いのが世の中と覚悟した上で、その儚い、満(つま)らない中で切(せめ)ては楽(たのしみ)を求めやうとして、究竟(つまり)我々が働いて居るのだ。考へて鬱(ふさ)いだ所で、満らない世の中に儚い人間として生れて来た以上は、どうも今更為方(しかた)が無いぢやないか。だから、満らない世の中を幾分(いくら)か面白く暮さうと考へるより外は無いのさ。面白く暮すには、何か楽が無ければならない。一事(ひとつ)恁(かう)と云ふ楽があつたら決して世の中は満らんものではないよ。(略)」 貫一がお宮に言ったせりふ 『明治文学全集18 尾崎紅葉集』(1983年 筑摩書房) 171ページ
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